暁 〜小説投稿サイト〜
猫のきおく
シーン15

[8]前話 [2]次話
 今日は日差しが無い。少し冷たい風が吹きつけた。ブロック塀の向こうからクロスケがゆっくりと近づいて来る。目がヤル気になっているがわかった。どうして、その気になっているのかわからない。ならばこちらもその体制にもってゆかねば・・・。

 今日は黒カラは居ない。頭ん中でいろいろと想定した。やはり最初に向こうから手を出すようすればいいかな。たぶんあいつは左手で最初の一撃をかましてくる。それを左斜めにかわしながら右の一撃をかぶせて応酬する、その反動を利用してすぐさま左手でもう一撃を与える。これで向こうはそうとうダメージに思うに違いない。大丈夫だ、クロスケはカラスの鳴き声で逃げるほど気弱だ。

 いきなり頭一つに間がちぢまった。ヴーとかギャーとかうなっている。俺もガァーと叫んでいたと思う。しばらく、にらみ合いが続いた。こいっ 早く手を出してこい。こっちはそれを待っているんだ。 キタァー。シャーという声とともに黒い左手が飛び出した。右耳にかかるのをかわしながらすぐさま俺は右手の一撃をかぶせた。そして渾身の左手であいつの右耳の後ろにかましてやった。どうだ  クロスケはブロックからすっとんで逃げて行った。

 今日は少し寒い。道路の向こうからかけるが帰ってくるのが見えた。おいっ、俺の強いの見届けたか・・・ 
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ