ムー大陸復活
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ぬって」
「戦はできぬな」
「皆まで言うな! それに、ほれ」
コウスケは右手の甲を見せつける。
「響の令呪。まだしっかり残ってんだ。これが、アイツが無事って何よりの証拠だろ?」
「まあ、そうかも」
「オレたち参加者は見滝原から出ることはできねえ。つまり、根気よく探せば、響は見つかる! そう考えてんだよ、オレは」
「……そっか」
彼には何を言っても無駄なのだろう。彼が、誰よりも響が無事だと信じ切っている。
その時。公園のどこかから、こんな声が聞こえた。
「さあ、絶望してファントムを生み出せ!」
その声に振り向いたハルトは、コウスケに言った。
「行くぞ」
「ああ。……少しムシャクシャしてんだ。憂さ晴らしさせてもらおうぜ」
「結局苛立ってんじゃん」
「うるせえ! 響は無事だろうがよお、こっちはアイツがいなくて少し気分悪ぃんだ」
「何だよそれ」
「いいからいくぜ! ハルト」
「皆まで言うな」
「それオレのセリフ!」
公園で暴れるファントムのもとへ急ぎながら、ハルトとコウスケは同時に告げた。
「変身!」
「変〜身!」
「……」
両手を鎖に縛られた響は、押されるがままに歩く。
かび臭い遺跡。前人未到の空間。
バングレイに攫われた響は、気付けば宇宙船に幽閉され、この遺跡に連れてこられた。どうやら、見滝原から大きく移動して、どこかの遺跡に来たらしい。
前にはバングレイ。そして、彼が可奈美と友奈の記憶より作り上げた少女たちが歩いている。
拘束した響は未来に連れ添われ、その最後尾に、エンジェルがいる。
「バリバリバリバリ。驚いただろ? 俺は狩りの時は、情報はきちんと集めるんだよ」
バングレイはのっしのっしと遺跡を歩く。道中、時々遺跡の壁をあちこち傷つけているが、それを全く意に介さない。
「それにしても、よく見滝原を離れる許可が下りたものだな」
エンジェルが言い放つ。
「聖杯戦争の参加者は、見滝原から出ることが出来ないのだろう? なぜここに来れた?」
『それはボクがやったんだよ!』
そう叫んだのは、聖杯戦争の監視役。
バングレイの肩に乗る、白と黒の人形のような存在。
熊の形をした、左右を色分けしたそれは、胸を張ってエンジェルへ言い放つ。
『大変だったんだよ? 頭の固い後輩を説得して、君たちに一日だけでも外出許可をもらうの。全く、キュウべぇは放任主義の癖に真面目なんだから』
「ま、予めの場所は宇宙で調べてあったからいいんだけどよ。いよいよ狩りの集大成だ。バリ楽しみだぜ!」
バングレイが大声とともに進んでいく。
仮にここで脱出を試みたところで、五対一。見込みはなかった。
「響、どうした
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