第百一話 帝、劉備を信じるのことその三
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そうしてだ。同じ口調になってだった。
「噂に対しては」
「どうしていいかわからないわ」
「どうしたものかしら」
軍師二人もだ。今回は困っていた。
しかしだ。その中でだ。
鳳統はこう孔明に提案した。
「私達二人だけでは駄目なら」
「黄里ちゃんね」
「うん、三人で考えてみよう」
これが鳳統の提案だった。
「三人いればだし」
「三人いれば張子房の知恵ね」
漢の高祖の軍師だ。稀代の知恵者として知られている。
その人物の様にだ。名案が出ると言う鳳統だった。
そして孔明もだ。彼女の言葉に頷いてだ。
静かにだ。こう応えたのだった。
「そうね。ここはね」
「それでいきましょう」
こうしてだった。二人は徐庶も交えてだ。
三人でこの問題について話していく。そしてだ。
その中でだ。徐庶が言ったのだった。
「噂に対してはね」
「噂に対しては?」
「何かあるの?」
「やっぱり。真実かしら」
こう二人に話すのだった。
「それが一番じゃないかしら」
「根も葉もない噂に対しては」
「真実だというのね」
「ええ。今回は噂に過ぎないから」
だからだ。それに対してというのだ。
「真実を明らかにすればね」
「そうね。真実ね」
「真実が公になれば」
それでいいとだ。孔明と鳳統も頷いた。
そうしてだ。また言ったのだった。
「じゃあここは」
「帝にお話したらどうかしら」
こうだ。二人は言った。
「その。帝に」
「桃香様御自身が」
「それしかないと思うわ」
徐庶もだ。二人の提案に応えてきた。
「桃香様が帝の位を簒奪しようという噂があるのなら」
「当の帝にお話すれば」
「それで疑いを晴らすべきだから」
「それでいいと思うわ」
徐庶も頷く。そうしてだった。
三人の軍師はこの噂に対する策を決めた。そのうえでだ。
三人で劉備のところに行きだ。このことを話したのだった。
話を聞いた劉備はまずはだ。目をしばたかせてこう言った。
「えっ、私が帝を?」
「まさか。桃香様は」
「御存知なかったのですか?」
「都での噂を」
「そんな噂が出てたの」
こうだ。きょとんとして三人に問うのだった。
「はじめて聞いたわ」
「そうだったのですか」
「桃香様は御存知なかったのですか」
「では」
「そんな。私が帝なんてないよ」
今度はこんなことを三人に言う。
「考えたこともないし」
「ですよね。本当に」
「桃香様には野心はありませんから」
「ですから」
三人はかえって力が抜けた。劉備のいつもの調子にだ。
それでほっとした顔になってだ。今度はこう言うのだった。
「実は前から噂になっていまして」
「それでどうにかしようと考えていました」
孔明と鳳統が
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