第二章
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黒バットの前に両手を腰に当ててマントをたなびかせています、そうして。
ステッキを抜くとです。
雪の上を滑る様に進み黒バットに向かいます、黒バットもステッキを抜いてです。
黄金バットに向かい二人は一騎打ちに入りました、二人はお互いにステッキをフェシングの様に使い激しく突き合います。
人々が吹雪と戦う中両者は一歩も引かぬ戦いを続けました、二人の戦いは長く続きましたが。
やがてでした。
吹雪が止みその時に。
黄金バットの鋭い突きが入り黒バットはそれを自分のステッキで守ろうとしますが。
防いだ衝撃でステッキが吹き飛ばされました、吹き飛ばされた黒バットのステッキは空中で激しくバトンの様に回転してです。
雪原に突き刺さりました、すると黒バットは。
忌々し気に呻き素早くステッキのところに滑りステッキを持つと黄金バットに言いました。
「私の負けだ」
口惜しさに満ちた声を残してでした。
黒バットは姿を消しました、それを見てです。
黄金バットも何処かへと飛び去りました、人々はその彼を見ながら雪と戦いつつ思いました。
「魔人は黄金バットが引き受けてくれたのか」
「大雪と共に現れた魔人は」
「大雪、自然と戦うことを選んだ俺達を見て」
「自分はもう一つの脅威にあたってくれたのか」
「そして退けてくれたのか」
「若し黄金バットが出ないと黒バットは何時何をするかわからなかった」
その絶大な力で、です。
「それを防いでくれた」
「そして俺達を雪に専念させてくれたんだ」
「雪との戦いに」
「それも黄金バットの配慮か」
「俺達への気遣いなんだな」
「俺達を助けてくれたか」
「それならだ」
人々は決心しました。
「この大雪に勝つぞ」
「除雪を頑張るぞ」
「もう雪は止んだんだ」
「それなら絶対に勝つぞ」
人々は口々にこう言ってでした。
皆で力を合わせて懸命に除雪作業をしました、そうしてです。
吹雪が止んだ秋田で人々は道や屋根から雪をどけて溶かして行き来出来る様にでした。
交通も産業も復活させて人や車の自由な往来が戻りました、人々は大雪に勝ったことを喜び黒バットを退けてくれた黄金バットに心から感謝しました。人々と謎の超人は共に世の脅威に勝ったのです。
黄金バット 第三十八話 完
2021・1・3
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