暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
新たな谷越え戦士
42話 忘れちゃったかな
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ることやな??????
「はいっ、この話はおしまい!」

 希の言葉を遮って手を叩くと、正美はそう口にする。
 希は不満そうに正美を見るが、すぐに正美から距離を取ると素振りを再開した。

「もしかして怒った?」
「??????別に」

 希の正面に回り、表情を覗き込むように尋ねる正美に希はぶっきらぼうに答える。

「希ちゃんはさ」

 正美はまた希に声を掛けるが、希は素振りを止めるそぶりを見せない。正美もそんな希を気にする事なく話を続けた。

「どうしてそんなに悔しがれるの?」

 そんな正美の問い掛けに希はバットを振りながら答える。

「正美ちゃんはっ、負けるとが楽しかとっ?、悔しゅうなかとっ?」

 負けても(・・)楽しいかではない。負けるの(・・)が楽しいかと、希は問い返した。

「負けるのが楽しいか、か??????」

 正美の脳裏を過るのは、身体能力も経験も自分より高い異性の中で野球をしてきた日々。負けっぱなしの野球人生を送ってきた自分。

「負けてどうかなんて忘れちゃったかな」

 そう言って、正美は困ったように笑うのだった。
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