暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
牙向く繋がり
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「がら空きだ!」

 

 ウィザードが驚く間にも、姫和はウィザードを攻め立てる。

 非常に素早い彼女の突き技に、スピード特化のハリケーンでさえ、追いつけなくなっていく。

 そして。

 

「ぐあっ!」

 

 姫和は目の前。それなのに、背後からのダメージ。

 その原因は、また別の少女。

 青と白の勇者服を着たスナイパー。東郷美森とうごうみもりの名を持つ少女。

 

「我、友軍を援護ス!」

「いやいつの時代の日本海軍だよ!」

 

彼女は、ウィザードが攻撃に向かおうとするたびに、その足を狙い撃つ。

 

「っ……! だったら……」

『ランド プリーズ』

 

 遠距離から狙撃してくる美森に対抗するために、ハルトはエメラルドの指輪からとトパーズへ切り替える。

 ウィザードの足場より出現した黄色の魔法陣。それは、ウィザードの緑を黄色へ塗り替えた。

 

『ディフェンド プリーズ』

 

 土のウィザードは、土壁を盾に美森と撃ち合う。

 だが、銃弾の威力は彼女の方が上だった。みるみるうちに土壁は破壊され、ウィザードの盾になる部分が消えていく。

 

「くっ!」

 

 土壁から回避したと同時に、美森の銃弾が壁を粉々にする。

 

「逃がすか!」

 

 さらに、姫和の連撃も襲ってくる。

 機動力を犠牲にした形態のランドスタイルは、すでに姫和の剣の餌食になっていた。

 

「次だ……」

『ウォーター プリーズ』

 

 トパーズからサファイアへ。ウィザードはすぐに水のウィザード専用の指輪を使った。

 

『リキッド プリーズ』

「何!?」

 

 体が液体になる。それは、姫和の刀も、美森の銃弾も受け付けない。

 逆に、姫和へのソードガンの斬撃、美森への銃撃は通用する。それぞれにダメージを追わせることには成功した。

 だが。

 

「響……邪魔者は、みんな消してあげる」

 

 もう一人、響の記憶より呼び出された紫の少女は別だった。

 彼女___響の陽だまり、小日向未来こひなたみくの左右を漂う鏡より放たれた光。それは、液体となったウィザードを穿つ。

 

「っ!」

 

 液状の魔法の解除と同時に、ウィザードは転がる。

 

「っ!」

 

 未来の光と美森の狙撃。それよりも先に、ウィザードは魔法を発動させた。

 

『ライト プリーズ』

 

 目くらましは、効果的だった。

 視界を奪われた姫和と美森は、動きを止める。

 

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