暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga23開かれた真実の扉〜God only knows〜
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って若干悔し気なディアーチェに、わたし達は「えええええ!?」って驚いた。最強の“エグリゴリ”っていうリアンシェルトがもういないなら、ルシルが本当に死ぬまでの期間が短いことを示す。ガーデンベルグを救い、ソイツが持ってる神器を破壊すれば、ルシルは任務完了ということで死ぬように設定されてるんだから・・・。

「ルシル君を負かして、私たちの家に連れて来たリアンシェルトは本人? それとも・・・」

「あれがルシル本人です、主はやて。ルシルがリアンシェルトの姿に変身していたのです。・・・主はやて、皆も。当時からルシルとアイリが偽者だということが判っていましたが、例の緘口令によってお話できませんでした、申し訳ありません」

「マジかよ・・・」

「待て。ルシルのクローンを造るのに1年なのだろう? 3年前の時点で完成していたとすれば、4年前にはルシルとエグリゴリの間で協力関係にあったということではないのか・・・!?」

「いえ、違います。自分のクローンが造られていたと知ったのは、ルシルがリアンシェルトに勝った後だったそうですから、その頃はまだ協力関係にはなかったですよ」

「え、待ってちょうだい。・・・ユーリの言うことが事実なら、エグリゴリは密かにルシル君の味方をしていたということになるわ」

「まさしく。ルシリオン君さえ知らなかった真実だよ。実はエグリゴリの洗脳はとうの昔に解けていたんだ」

「その辺りの話はパイモンからの又聞きだけどね。洗脳されたことでヴァルキリーからエグリゴリとなったあの連中は、ルシリオンの家族や友人を多く殺害した。エグリゴリにとっても家族のようなもので、洗脳されていたとはいえ殺害したことには変わらない」

「だから洗脳が解け、自我を取り戻した後は苦しんだそうよ。しかも自害は出来ないから余計に」

「ゆえにエグリゴリはせめての罪滅ぼしとして、洗脳が解けていないように偽り、一片の同情もされぬように敵として振る舞い、あやつの手によって殺される、という計画を企てた。それが6千年以上も前、ルシリオンに生み出された子ども達ヴァルキリー、いやエグリゴリ全体の目的だ」

ディアーチェがそう締めた。わたし達は黙り込んで、わたしはディアーチェ達から聞かされた真実を何度も反芻する。

「・・・セインテスト王から続いてたエグリゴリとの戦いの真実が、そんな悲しいものだったなんて・・・」

「そうだね。ルシリオン君の行う救いは、暴走しているエグリゴリを苦しませることなく破壊――解放すること。エグリゴリの望む救いは、開発者であるルシリオン君に殺され、自分たちの死によって、長年続く呪縛から彼を解放すること。どちらにも救いはあるが、その結末は悲しいものだよ」

ドクターが悲痛な面持ちでそう告げた。なんだろう、さっきからドクター達
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