暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga23開かれた真実の扉〜God only knows〜
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ったであろう? それが制作に1年近く掛かったあやつのクローンの成果だ。うぬらの言う、あやつが幹部たちに対して怒りを露わにしたのは演技ではなく、自分がクローンであることを知らぬからだ。よもや自分がオリジナルの駒として利用されておるとは思いもしなかったであろうな」
わたしはもう、ルシルについて何も聞きたくなくなってきて、両手で顔を覆って俯いた。そんなわたしの肩を優しく叩いたルミナが「で? いつから入れ替わってたわけ?」って聞いた。少なくとも1年前には協力関係が築かれてたっぽいし、もう何が何だか判らない。
「これは子鴉らの方が知っておるだろうな。あやつとクローンが入れ替わったのがいつか・・・な。明確な時期があったはずだ」
「え?・・・えっと・・・、いやまさか、そんなわけ・・・。ひょっとして、ルシル君がリアンシェルトと戦いに行く言うて、アイリと一緒に姿を消した数日間・・・か?」
「ちょっ、それって3年以上も前になるじゃない!」
あまりに過去の話になったから、驚いたわたしは思わず顔を上げてディアーチェを見た。チーム海鳴で裁判ごっこをした記憶がフッと脳裏に浮ぶ。リアンシェルトに戦いを挑む前は、いつ死ぬとも知れぬほどに弱り、車いす生活を余儀なくされてたルシル。けれど敗戦後、そして退院後には自力で歩けるほどに回復してた。それは何故か・・・。
「リアンシェルトに・・・魔力を貰ったから・・・」
「そうや! それでルシル君の寿命問題は解決したんやった・・・!」
「ミミルどころかリアンシェルトも味方につけてたってこと!?」
わたしの言葉にみんなが大混乱。当時のことははやてから聞いてる。重体のルシルと意識不明のアイリを連れてきたリアンシェルトとミミル、その使い魔のフラメルとルルス。リアンシェルトはボロボロになりながらもルシルとアイリを負かした。“エグリゴリ”はルシル達セインテストシリーズを殺すことを目的に動いてる兵器だ。それなのにリアンシェルト達はルシルを殺すことなく、あまつさえ命を救った。
(リアンシェルト達の気まぐれだろうってルシルは言ってたけど、よく考えてみればやっぱりおかしな話だ)
そうか。その時のルシルはもうクローンで、寿命問題なんて関係ない体だ。それに、おそらく本物のルシルによって記憶などがいじられてるんだから、気まぐれだなんて曖昧なことで片付けることが出来たんだ。だからって、それでルシルがクローンだとか偽者だとかという考えに至れるわけもなく。との道わたし達はルシルの手の平の上だったわけだ。
「リアンシェルトはもうおらぬ。アレはすでに破壊、救われておる。残るエグリゴリは、ガーデンベルグ、そして倒す必要のないパイモンとフラメルとルルスの4機のみだ」
そう言ってティーカップに口を付けて、「美味いな」
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