第百話 夏侯淵、定軍山に向かうのことその十
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「煮るなり焼くなりしてだ」
「それでも多過ぎて駄目だ」
そのだ。ビタミンがだというのだ。
「食べるとショック死してしまう」
「恐ろしいな」
刀馬はここまで聞いて唸る様にして述べた。
「まさに毒だな」
「そうだ。だから食べることは止めてくれ」
「けれどダーリンそれって」
「ホッキョクグマのことよ」
貂蝉と卑弥呼がその華陀に言う。
「普通の熊は別にね」
「そんなことないわよ」
「むっ、普通の熊だったのか」
「そうよ。流石にホッキョクグマはね」
「ここにはいないから」
こう華陀に話すのである。
「普通の黒い熊よ」
「だから安心して」
「そうか。ならいいんだがな」
ここまで聞いて落ち着いた顔になる華陀だった。
「なら問題ない。肝も食べていい」
「それは納得したが」
グラントが華陀のその言葉に応える。
しかしだ。ここでこう彼に問うた。
「だが何故そんなことを知っている?」
「そんなこととは?」
「ホッキョクグマのことだ」
「それがどうかしたのか?」
「この国にいるのか?」
グラントが問うのはかなり核心的なことだった。
「あれは北極にいるな」
「そうだ。だからホッキョクグマだ」
華陀もそのことは知っていた。
「それがおかしいのか?」
「若しかしてだ」
グラントはここでふと気付いたことがあった。それは。
「貴殿は北極に行ったことがあるのか」
「ある」
一言でだ。華陀は答えたのだった。
「何度かな」
「あったのか」
「ああ。ついでに北極から新しい場所に行ったこともある」
華陀は微笑みグラントに話す。
「新大陸にもな」
「私達の国か」
「そうだな」
カインとグラントは華陀の話からそのことを悟った。
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