第三話 少しずつでもその八
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「注意していってね」
「そうしていくわ」
咲は従妹に確かな声で約束した。
「そうさせてもらうわね」
「ええ、それで私もまたね」
「うちに来て」
「モコちゃんに会うわね」
「待ってるわね、じゃあメイクとかファッションは」
「これからもね」
「勉強していくわ」
こう言ってだった。
咲は愛と再びこちらの話もした、そしてだった。
家でも勉強を続けた、それで彼女の父は夜会社から帰るとリビングでファッションやメイクの雑誌を読んでいる彼女を見て言った。
「お前も漫画やライトノベル以外の本読む様になったんだな」
「うん、やっぱりね」
目を雑誌に向けたまま答えた。
「これからはね」
「ファッションとかメイクとかか」
「大事だから」
それでというのだ。
「だからね」
「そうしてなのね」
「ちゃんと見て」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「勉強しているんだな」
「そうなの、それで実際にメイクとかファッションもね」
「やっていってるか」
「愛ちゃんともお話してね」
「そうなんだな、お前も変わったな」
父は背広の上を脱いでネクタイを外しながら言った。
「卒業してから」
「まあそれはね」
「自分でもなの」
「思うわ」
「そうだな、まあ女の子はそういうのも大事だしな」
「人は外見じゃないっていうけれど」
「どうしてもな」
このことはというのだ。
「事実だしな」
「それじゃあね」
「頑張れよ」
「こっちもね、勿論他のこともね」
「勉強だってな」
「大学行きたいしね」
「お前元々成績いいけれどな」
それでもとだ、父は娘に言った。
「やっぱり勉強はしないとな」
「よくならないわね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「そこはな」
「高校に入ってもね」
「ちゃんとしろよ」
「わかったわ」
「まあ大学はな」
父は進路のことも話した。
「何処に行くかはな」
「それはなのね」
「じっくり考えたらいいさ」
こう言うのだった。
「受験までの間な」
「焦ることはないのね」
「東京の大学でもいいし他のところの大学でもな」
「いいのね」
「別にな、父さんだって東京で生まれ育ってるけれどな」
「お父さん八条大学だしね」
「神戸の大学だからな」
自分にしろそうだからだとだ、彼は娘に笑って話した。
「それで楽しかったしな」
「それでなのね」
「もう東京に限らないで」
「じっくり選べばいいのね」
「ああ、受験までに」
その時までにというのだ。
「考えたらいいさ」
「そうなのね」
「ああ、それとな」
父は自分の席に座ってからサランラップで覆われている自分のおかずを出した、そしてご飯も入れつつ言った。
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