第四百六十話 空での決戦その六
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「本当に人は色々ね」
「そうだよな」
「そうなのよね、けれどね」
ここで言ったのは風だった。
「人間であることは事実だから」
「それで、ですね」
「一緒にやっていくのよ、しかもお二人のムジークが凄いことは事実だから」
「ですね、さっきのモーツァルトさんのムジークは」
智樹も言った。
「俺も元気が出ました」
「フィガロの結婚だね」
モーツァルトも笑顔で応えた。
「さっきのはもう飛ぶまいこの蝶々だったけれど」
「物凄く元気が出ました」
「皆に元気を与えるのが僕のムジークだよ」
「だからですね」
「困ったら何時でも言ってね」
「俺もだ」
ベートーベンも言ってきた。
「さっきは運命だったが今度もだ」
「ムジークをですか」
「出す、今度はフィデリオだ」
この作品だというのだ。
「しかと聴くのだ」
「わかりました」
「ではな」
ベートーベンも言って実際にだった、二人は高らかにムジークを出した。そうして仲間達を奮い立たせていった。
戦いは続いていた、ニンフは空から攻撃をするがスマッシュ達はその空への攻撃も激しい。それでだった。
攻撃をかわしつつだ、ニンフは顔を顰めさせて言った。
「全く、次々にね」
「攻撃をしてくるわ」
「そうね」
隣にいるイカロスに応えた。
「正直やってくれるってね」
「思っているのね」
「ええ」
実際にというのだ。
「腹が立ってるわ」
「そうなのね」
「あんたもそう?」
「私は別に」
イカロスは今も無表情でだった。
地上のスマッシュ達に派手な全体攻撃を浴びせて彼等を倒した、そうして言った。
「基本攻められる前に」
「攻めてなのね」
「倒せばいいと思っているから」
だからだというのだ。
「そうしたことは」
「考えていないの」
「攻撃が来ても」
その攻撃をかわしてから答えた。
「こうすればいいから」
「かわせばいいの」
「当たらなければいいから」
それでというのだ。
「だから」
「割り切ってるわね」
「けれどその通りだよ」
共に空で戦う犬屋敷が言ってきた。
「基本攻められる前に攻めてね」
「そうしてなの」
「そして攻撃が来ても」
それでもというのだ。
「こうしてだよ」
「かわせばいいだけなのね」
「攻撃が来てもね」
犬屋敷はさらに言った。
「特に怒ることはないよ」
「じゃあ私が気にし過ぎかしら」
「気にするまでもないこともあるよ」
犬屋敷はニンフに優しい笑顔で話した。
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