第四百六十話 空での決戦その五
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「私達の誰もです」
「そうなんですね」
「能力は高くて悪い人達ではないですが」
「それでもですか」
「困った人達でして」
このことは否定出来ないでというのだ。
「この通りです」
「そうですか」
「正直この人達ずっとこうだぞ」
総二も言った、今は少女の姿だ。
「誰の話も一切耳に入らないんだ」
「それで行いは、ですか」
「普段も今もなんだ」
「無茶苦茶なんですね」
「常識を完全に無視してな」
そしてというのだ。
「傍若無人の限りなんだ」
「だから常識に囚われていたら駄目だよ」
「そんなもの気にしていて進歩するものか」
モーツァルトもベートーベンも言った。
「何とも思うな」
「僕達みたいにね」
「こんなのだからな」
メーガンもそはらに話した。
「この人達はそうした人達だっていうことでな」
「一緒にいてですね」
「もう好き勝手にしてもらうしかないからな」
「いざという時は歌笛さんに叱ってもらって」
「大家だから言うことをちょっとは聞くからな」
「いや、全然聞かないわよ」
その歌笛が言ってきた。
「この二人はね」
「やっぱりそうですか」
「もう家賃とかのお話をしないと」
それこそというのだ。
「全くなのよ」
「そうですか」
「正直猛獣よりも始末に負えないから」
モーツァルトとベートーベンの二人はというのだ。
「だから気をつけてね」
「正直ここまで凄い人達はじめて見たぜ」
「私もだ」
昴だけでなく緋沙子も真顔だった。
「幸平創真も凄いが」
「ロズワールやペテルギウス以上だからな」
「うむ、ここまでの人達はな」
「そうそういねえな」
「全くだ」
「というかな」
昴はどうかという目でさらに言った。
「人の話がどう見ても耳に入ってないだろ」
「この人達はな」
「入るのは音楽だけでな」
「そうした耳だな」
「多分自分達を褒める言葉しか入らないな」
智樹にもわかった。
「この人達は」
「それが悪いかな」
「何が問題だ」
二人もこう返した。
「俺のムジークは万人がひれ伏すものだ」
「僕のムジークが凄いのは事実だよね」
「なら問題はない」
「一切ね」
「ですから普段の行動を何とかして下さい」
そはらもこのことを言った。
「私が見てもそう思いますから」
「そうだよな、こんな人達もいるんだな」
「そうよね」
「緋沙子さんみたいにいい人もいれば」
ここでこうも言った智樹だった。
「いい人だけれどな」
「大変な人もいるわね」
そはらも言った。
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