第六百十一話 普通の人が悪人になってその七
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「問題はその中身よ」
「発言のね」
「それが馬鹿だと」
「馬鹿だとみなされてね」
「振り向かれないどころか」
「否定されてね」
「おしまいよ」
そうなってしまうというのだ、このことは実はネットが登場する前からだが登場してからより顕著になっている。
「変なこと言う人は相手にされないから」
「まさにね」
「電波は見る分には楽しいけれど」
「真に受けたら駄目だからね」
「自分も馬鹿になるから」
「その言うこと信じたらね」
聞く分にはいいというのだ。
それでレミもこう言った。
「電波が電波であるって認識するのも大事よね」
「ええ、どんな肩書の人が言ってもね」
「間違ってるかってね」
ルビーとダイアナも答えた。
「そのことを認識すること」
「発言自体を見てね」
「例えノーベル賞の人が言っても」
「間違ってることは間違ってるのよ」
「そして間違ったこと言う人ってね」
レミは紅茶を飲みながら語った。
「その文章とか発言わかりにくいのよね」
「小難しい言葉使って」
「そうした表現の羅列でね」
「あと変に造語作りたがる」
「そんな風よね」
「逆に正しいこと言う人は」
そうした人物はというと。
「一概には言えないけれど」
「わかりやすいのよね」
「文章も言葉も」
「もう読んで聞いてすぐにわかる」
「そうなのよね」
「シェークスピアだってわかりやすいし」
読めばすぐにわかる、それもまたシェークスピアのよさだ。ただし元々劇だけあって大袈裟で芝居がかった表現が多くシェークスピア節と言うべき独特のシニカルな言葉がその節々に見られるという癖がある。
「他の人だってね」
「正しいこと言う人ってね」
「わかりやすいわよね」
「いい授業だってわかりやすいし」
「授業下手な先生の授業もわかりにくいし」
「そう、正しいことは」
それ即ちというのだ。
「やっぱりね」
「わかりやすいのね」
「つまりは」
「そうだと思うわ、真理は単純明快である」
ダイアナはここでこの言葉も出した。
「そうも言うわね」
「それかなり的を得てない?」
ルビーはダイアナのその言葉に突っ込みを入れた。
「まさに」
「ルビーもそう思うわよね」
「ええ、考えてみたらね」
「そうでしょ」
「実際にね、難しい言葉ばかりだとね」
「訳がわからなくて」
「あれこれ解釈してしまって」
そうなってというのだ。
「お話の確信にもね」
「辿り着けないわよね」
「中々ね、けれどはっきりしていたら」
つまりわかりやすいと、というのだ。
「それじゃあね」
「もう正しいかどうかもね」
「わかりやすいし」
ルビーはさらに言った。
「言っている人も騙すつもりがないから」
「そう言うのよね
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