40話 外野を抜いてシュバッとホームまで駆け抜ける!
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のバットは途中まで出たが、球審はノースイングと判断。B1ーS1、平行カウントとなった。
三球目、大野が投球動作に移ると一二塁間が詰められる。
――きた!
正美が初球に体を仰け反らせたり、二球目でバットを出し掛けたのは、バッテリーに内角に意識が向いていると思わせる為に正美が仕掛けたフェイクであった。
外角低め、外に逃げるシュートを思いっきり引っ張って弾き返す。
――打球が弱いっ。ホームには帰ってこれないか??????。
それでも、がら空きの三遊間とレフトへヒットにするには十分??????と思われたが、白球のゆく先へサードが諦めずに駈けていた。打球はまだグラウンドに落ちていない。
――これを捕って私達は先へ進む!まだこのチームで野球を続けるんだっ。
サードは打球目掛けて飛び上がった。
――届けぇぇええええっ??????!!
白球が消え、サードが地面に転がる。掲げられたグラブの中には????????????白球が収まっていた。
「アウト!」
新越谷 1ー3 柳大川越。新越谷の6回戦敗退が決まった。
球場を出てから誰一人として言葉を発しない。川口姉妹と白菊は目に涙を浮かべ、希にいたっては膝を抱えて顔を伏せていた。
――く、空気が思い??????。
正美が参加していた草野球チームであればこの後打ち上げに移動する流れとなるが、とてもじゃないがそんな雰囲気ではない。
「あの??????相手に挨拶に行ってきます」
そんな沈黙を破ったのは詠深だった。
「私も行こう」
怜も悔しさを堪え、主将として挨拶に着いていく。
「あ、私も行きます」
正美はこの場から逃れるため、詠深と怜に同行する事にした。
柳大川越の元へ向かう道中も会話がない。耳にはいるのは通行人の喧騒と蝉の声だけである。
三人とも一言も発しないまま暫く歩くと、柳大川越の部員が集まっているのが見えてきた。
「あの??????お疲れ様です」
詠深が声を掛けると、柳大川越のメンバーは三人に気付く。
「わざわざどうも」
「おつかれ」
大野と朝倉が挨拶を返した。
「二人ともナイスピッチングでした」
「私も大野さんの投球とても参考になりました」
詠深と正美が両投手を讃える。
「アンタも相変わらず暴力的な投球だったわね。去年の朝倉と似た感じ??????。末恐ろしいわ。ムカつく」
大野は詠深に悪態を吐くと、朝倉はそんな大野に苦笑いを浮かべた。悪態を吐いた後、大野は正美を見る。
「アンタのピッチングも映像で見たわ。良いコントロールしてる。アンタがうちに来てたら私の後釜で朝倉の尻拭いを任せられ
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