34話 応えない訳にはいかないでしょっ!
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新越谷の内野陣がマウンドに集まっていた。
「ごめんね??????」
「ううん。私も不用意に入りすぎた」
しょんぼりしながら謝る正美に、正美だけの所為じゃないと珠姫が励ます。
「まっ、ホームラン以外なら何とかすっから、あまり気負うなよな」
稜はニカッと笑ながら言った。
「そうね。正美みたいなプレーはできないけど、手の届く限り捕ってみせるわ」
菫も正美を勇気付けようとする。
「後にはヨミちゃんが控えとーし、私もまだまだ打つけん。正美ちゃんはどんどん打たれて良かよ」
「そうね。たまには私達が正美ちゃんを助けないとね」
希がいつかの意趣返しの様に言い、理沙もみんなに賛同した。
「??????それじゃあ希ちゃん。逆転されたら一緒に謝ってくれる?」
正美が希の顔を低い位置から覗き込むように問う。
「ほんなこつ打たるぅ気でいる!?」
希の反応に正美は思わず笑った。
「あははーっ。みんなありがとね」
正美の調子が戻ったと思われる所で内野陣が解散した。
――打席ではノーヒット、リリーフは2失点。今日はぜんぜん良い所がない。正直へこむなぁ??????。
男達に囲まれた草野球チームとは違い、ここでは正美に対する期待が大きい。正美もその期待に応えたいと思っていたのだが、上位に食い込み相手のレベルが上がった途端にこの様である。そんな自分にもどかしさを覚える正美であった。
――いけないっ、切り替えないと。
ロージンバックを拾うと掌で二回跳ねさせ、余計な粉をフーッと吹き飛ばす。
2番打者の所に代打で入った相手にB1ーS1で迎えた三球目を打ち返された。正美は一瞬体を震わせる。ショートに速い打球が転がるが、稜は落ち着いて捌き一塁へ送球。スリーアウト目を取り、チェンジとなった。
「ふぅー??????」
正美はベンチに戻りグラブを置くと一息つく。この回は二者目に打順が回ってくるので、休む事なくヘルメットを被った。
「正美ちゃんお疲れ様〜」
芳乃がドリンクをもって正美を労いにやって来る。
「ありがとう。それと、ごめんね」
「大丈夫。5点なら全然想定内だよ」
「そっか??????」
正美はバッティンググローブを着ける途中で動きを止めた。
「正美ちゃん?」
どこか正美の様子がおかしいことに芳乃は気付く。
「??????さてっ、せめて野手としては貢献しないとね」
正美はネクストバッターズサークルへと向かった。
先頭の息吹は8球粘った末にフォアボールで出塁する。
――バントのサインが出なかったら粘って四球狙い。これがベストだよね。
サインの確認の為、ベンチに視線をや
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