暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
23話 駄目だよ
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ーS2。内角高めのストレートを投じる。

――タマちゃんが遠くにいるとイメージして??????いつもと同じパワーでちゃんと届くように投げる!

 自分の前の打者を敬遠され、しかも安打を放った1打席目と同じ配球。面白いはずがない。梁幽館の5番打者は1打席目と同じイメージでバットを出すが、そのイメージよりも早くボールがやって来た。

 伸びが良いという事は、初速は同じでも空気抵抗による減速が少なくなる事を意味する。ホームへの到達時間が短くなる為、バッターからすれば速く感じるのだ。

 差し込まれながら打った白球は詠深の前に転がった。詠深はボールを掴むとホームへ送球。珠姫がボールを受け取り、すぐにファーストへ投げた。結果は1ー2ー3のダブルプレー。最高の結果でピンチを切り抜けた。

「詠深ちゃんありがとう!」

 芳乃は涙を浮かべながら詠深を出迎える。

「大袈裟だなぁ」

 そんな芳乃に、詠深は笑いながら答えた。
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