暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
22話 私は信じるよ
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感激している時、ベンチでは芳乃がギャラリーからの反感が思いの外強いことに不安を覚えていた。

――以外とお客の反応が大きい??????球場を敵に回してまでやることだった?

「大丈夫。芳乃ちゃんは自分を信じて」

 芳乃が声の発生元の正美に視線を向ける。正美はマウンドの詠深を見つめていた。

 野手に声を掛け、観客からのヤジにもあっけらかんとして、その手に握る白球に視線をやる。

 野手一同も詠深の声掛けにしっかりと応えていた。

「みんな芳乃ちゃんの采配を信じてるし、私だってこの試合に勝つには芳乃ちゃんの指揮が必要だと思ってるよ」

 詠深は堂々としたピッチングで5番打者を迎え撃つ。

「そりゃ結果がどうなるかなんて分からないさ。今回みたいにオーディエンスを敵に回しちゃうかもしれないし、良い結果に繋がらないかもしれない」

 5番打者は詠深のストレートをセンターへ弾き返した。二塁ランナー白井は三塁を蹴ってホームへ、一類ランナーの中田はサードへ向かう。

「でもね、それでもあの時芳乃ちゃんが下した決断は最良のものだって、私は信じるよ」

 白井は生還するが、怜がサードへのストライク送球を見せ、中田を刺殺した。これでスリーアウト、チェンジとなる。

 初回、梁幽館に先制を許すも、その後の怜のファインプレーで流れを相手に渡さない。

「さて、戻ってくる部長を労いますか!」
「うん!正美ちゃん、ありがとう」

 正美と芳乃は笑顔で戻ってくるナインを出迎えた。
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