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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第五十六話 見知らぬ街 海鳴市
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「待ちなさーい。ほら、ハンカチ忘れてるわよ、なのは」
玄関からなのはの母、桃子が出てきて少女にハンカチを手渡している。
「あ、ごめんなさい、お母さん」
「はい。もう忘れ物はないわね?」
そこには、どこにでもある普通の家庭の風景が描かれていた。
だが、アスカはそれどころでは無かった。
(な、なのは!?お母さん!?って事は子供の隊長!??え?何??何のドッキリ???う、嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!)
今のアスカに、現状を理解しろと言うのは酷であった。
どこをどう歩いてきたか覚えてないくらい、アスカは動揺していた。
気がつけば、ポツンとロッジのある湖の畔で体育座りをしていた。
アスカは今、ボンヤリと湖をみている。
第三者が見れば、入水自殺でもするんじゃないかと思うくらいに意気消沈している。
《……マスター》
先ほどから何も喋らないアスカを心配して、ラピが話しかける。だが、
「ちょっと黙っててくれ……」
アスカは取り合わない。それでもメゲないラピは根気強く話しかける。
《高町隊長って……》
「いいから喋るな」
《子供の姿と言う事は》
「それ以上言うな」
《私達はもしかして……》
「静かにしてくれないか……」
さすがにこれ以上は無駄かと、ラピが静かになる。が、しばらくして、
《タイムスリップしてしまったのではないでしょうか?》
「あーーーーーーーー!言っちゃった?言っちゃったね!?全力で目を背けてたのに、言っちまったよ、コイツ!!!!!!」
あー!と頭を抱えてアスカがゴロゴロと地面を転がる。
「いや、さすがに無理!タイムスリップって何よ!?次元漂流と同時に時間漂流しちゃったってーの?設定に無理がありまくりなんですけどぉぉ!」
完全に理解を越えた展開に、アスカがヤケクソで叫ぶ。
《マ、マスター!落ち着いてください。ここが本当に過去の世界かを確かめたほうが……》
「子供の隊長がいたんだぞ!?しかも桃子さんが”なのは”って呼んでたんだ、間違いねーよ!」
《と、とにかく落ち着いてください!》
ラピッドガーディアンに諫められ、アスカは転がるのをやめた。
仰向けになり、よく晴れた空を見上げる。
ゴチャゴチャになった頭の中が、少しづつ整理されていく。
落ち着くと、今度は急に寂しくなってくる。
「……みんな、心配してるかな……」
アスカは機動六課の仲間の事を考えた。
気のいい仲間ばかりだった。
エリオ、キャロ、スバル、ティアナ。前線でお互いに信頼しあえる、仲間以上の仲間だ。
シャーリー、アルト、ルキノ。ロングアーチスタッ
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