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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第五十六話 見知らぬ街 海鳴市
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面影が微塵もない。

喉に小骨が刺さったような気持ち悪さを感じながら、アスカはまず翠屋に向かった。

「……間違いないよな。翠屋だ……?」

時間的にまだ開店していない翠屋。だが、以前来た時よりも綺麗に見える。

どこか改装したようには見えないが、何となく新しく見えた。

(前に来た時は夕方だったから、少し印象が違うのかな?)

いや、それは違う。アスカの無意識の部分が本人の考えを否定する。

「……隊長の家に行くか」

釈然としない物を感じるアスカだったが、とりあえずなのはの家に向かう事にした。

そして、自分の置かれた状況に愕然とする事になる。



「お……おっきいな、隊長の実家って……」

高町家を目の当たりにして、アスカはポカンと口を開けて呆然とした。

グルリと囲む塀の向こうに見えるのは、お屋敷とまでは行かないが、庭付き一戸建て、広い庭には離れに道場がある。

充分に裕福な家庭である。

「すげぇ……高町隊長って、お嬢様だったんだな」

貧乏性を拗らせているアスカは、デデンとそびえる高町家に近づけずにいた。明らかにビビっている。

《……マスター?怖じ気付いている場合ではありませんよ?》

グズグズしているアスカにラピッドガーディアンが話しかけた。

「べ、別に怖じ気付いてねーし!こんなの全然余裕だしぃ?何言ってんのかなぁ?」

アスカが強がって一歩進んだ時だ。

「行ってきまーす!」

高町家の玄関から元気な声が聞こえてきた。思わず電柱の影に身を隠すアスカ。

《なに隠れているんです?》

すかさずツッコミを入れるラピ。

「いや……つい……」

反射的に隠れてしまったアスカが口ごもる。

(あれ?でも今の声って?)

アスカは聞こえてきた声が、幼い事に気がついた。小学生くらいの女の子の声。

派遣任務で寄った時には、そんな子は居なかったし、話題にも出てこなかった。

(確か、兄ちゃんと恋人がいるって言ってたような気が……)

なのはの兄の恋人なら、小学生の筈がない。

誰だろうと思い、電柱の影からこっそりと覗き見て……アスカか固まった。

アスカが目にしたもの。

それは、白い制服を来てバックを背負った、元気そうな少女だった。

その少女に、アスカは見覚えがあった。

(!……子供の頃の高町隊長にそっくりだ…………)

ティアナの一見で揉めている時にシャーリーが見せてくれた、なのはの過去の映像。

その時の姿とまるっきり同じ少女がそこにいたのだ。

「し……親戚の子を預かってるのかな???」

そう呟くが、声が震えている。

動揺しているアスカに、更に追い打ちをかける事態が起きた。
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