第二章
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「ひょっとして」
「そういえば案外社交性あるし」
付き合いはあるというのだ。
「結構そつなくこなせるし」
「じゃあ遊びとかも?」
「出来る?」
「今度誘ってみようか」
こうした話をして試しに奈央を休みにクラスの有志で一緒に遊びに行くそれに誘った。するとだった。
奈央は一緒にと答えた、そして待ち合わせ場所に時間通りに来たが。
何と黒を基調にしたゴスロリファッションで来た、ハロウィンのパーティーに出ても通用する位だ。小柄で可愛らしい顔立ちにかなり似合っていた。
似合っていることは似合っている、だが。
普段の無口でクールな印象からは全く違うファッションなのでクラスメイト達は彼女に驚きの声をかけた。
「あの、ちょっと」
「そのファッション何?」
「外出着?」
「ひょっとして」
「好きだから」
これが奈央の返事だった。
「それでなの」
「着てるんだ」
「今そうして」
「そうなの」
「そう。じゃあ行きましょう」
表情は変わらない、そしてだった。
奈央はクラスメイト達と共にだった、街で遊びはじめたが。
食べる時も飲む時も淡々としてだった。
ゲームセンターのゲームでもカラオケの歌でも普通にこなした、むしろカラオケはダンスまでオリジナルに忠実でだった。
見事だった、だが終わると無表情だった。それでだった。
クラスメイト達は奈央にこう問うた。
「あの、結構遊んでて」
「ファッションセンスも独特で」
「結構そつないけれど」
「何でいつも無口なの?」
このことを問うのだった。
「前から気になっていたけれど」
「しかも無表情で」
「小林さん普通に社交性あると思うけれど」
「何で喋らないの?」
「最低限しか」
「それは」
奈央はクラスメイト達と共にカラオケボックスで飲みながら答えた、ビールを無表情のままごくごくと飲んでいる。
「痺れてたから」
「痺れる!?」
「痺れるっていうと」
「何が?」
「足が」
それがというのだ。
「私のお家茶道のお家だから」
「ああ、茶道はな」
「いつも正座だし」
「慣れるまでは」
「足も痺れるから」
「だから」
「子供の頃から毎日何時間も正座して」
そうして茶道の稽古をしてというのだ。
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