第四章
[8]前話
「まあプロレスは格闘技でありショーだから」
「ヒールもいないとね」
「リングに出たらブーイング凄いらしいけれど」
「それはヒールにとっては声援だし」
「これからも頑張って欲しいわね」
「そうよね」
こんな話をした、そして由佳は。
彼女達の話が終わるとこそこそと別の場所に行った、そしてトイレの個室の中で自分のマスクを出してそれを見ながらばれない様にしようと誓った。
そうしてプロレスを続けた、その中で。
由佳は家で食事を摂りながら言った。
「じゃあ今日もね」
「しっかり食べるのね」
「そうするわ」
山盛りのカレー、肉だけでなく人参や茸、玉葱やジャガイモも入ったそれを食べつつ母に言った。
「そして食べてね」
「その分トレーニングするのね」
「そうするわ」
こう母に言った。
「食べてからもね」
「相変わらずトレーニングね」
「食べてね」
「そしてトレーニングがよね」
「レスラーの仕事だから」
「それでなのね」
「今日も食べるわ、しかしレスラーしてると」
カレーを凄まじい勢いで食べつつ言った。
「凄くね」
「食べてもよね」
「体型が変わらないわ」
「すらっとしたままね」
「むしろ筋肉がついて」
そしてというのだ。
「体重は増えてるけれど」
「それでもよね」
「スタイルはね」
これ自体はというのだ。
「この通りよ」
「そうよね」
「お父さんより遥かに食べているのに」
それはというのだ。
「この通りだからね」
「スタイルについては」
「レスラーって凄いわ、若し止めたら」
「太る?」
「その前に食べる量も減るわ、ただ食費は」
自分のそれはというと。
「私が稼いでいるから」
「そのレスラーの報酬でね」
「安心してね」
「わかっているわ、じゃあまたね」
「お代わりするわ」
由佳は山盛りのカレーを瞬く間に平らげた、そうしてだった。
母にお代わりを入れてもらってまた食べた、食べ終わって食休みの後でトレーニングに入った。食べた分はしっかりと消費されていた。
無敵レスラーの素顔 完
2021・1・12
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