第三章
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「同志、このままです」
「攻撃はか」
「続けるべきです」
損害は多く出て進めていないがというのだ。
「数は我々の方が上です」
「だからだな」
「ここで怯んではなりません」
今も損害が出ていた、まだ子供と言っていい兵士の首が爆風で飛んで転がっているのが見えた。そして多くの兵士が死んでいた。
「このままです」
「攻めてだな」
「同志スターリンの期待に応えましょう」
「このまま攻撃だ」
スターリンの名前を聞くとだった。
コロツキーの顔が一瞬強張った、そしてだった。
彼は攻撃を続けさせた、そこで味方の砲撃が来てだった。
ドイツ軍陣地を攻撃した、だが味方への誤射もあり。
砲撃は多くの味方も倒した、だがそれでもコロツキーは攻撃を命じ続け無理にでも進撃させそうしてだった。
遂にドイツ軍の陣地を破った、そのうえでだった。
潰走する彼等から陣地を奪った、このことにコロツキーは言った。
「これでだ」
「はい、我々は同志スターリンの期待に添うことが出来ました」
「ナチを倒しました」
「それが出来ました」
「我々は勝ったのです」
「そしてだ」
コロツキーはさらに言った。
「すぐに次の進撃命令が出るが」
「そのことについてもですね」
「同志スターリンの期待に応える」
「そうしていきますね」
「必ず」
「そうだ、そうしていく」
コロツキーは勝利よりも自分の命が助かったことを喜んでいた、それは他の生き残った士官達も同じで。
政治将校であるコズイネンとドロコビッチも同じで。
二人は戦いの後自分達のテントの中で話していた。
「よかったな」
「全くだ」
ドコロビッチはコズイネンのその言葉に頷いて応えた。
「生きることが出来てな」
「ここで勝利を収めなかったなら」
「我が連隊が」
「その時はだ」
まさにというのだ。
「同志連隊長だけでなくな」
「我々も処刑されていた」
「少しでも結果が出ないとだ」
そうだとみなされればだ。
「処刑されるからな」
「我々もな」
「死にたくない」
コズイネンは心から言った。
「何があってもな」
「そうだ」
ドロコビッチも言った。
「この戦争でもな」
「生き残ってな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「戦争の後もな」
「やはりそうしたいからな」
「結果を出すことだ」
勝利、それを手に入れることだというのだ。
「絶対にな」
「損害がどれだけ出てもな」
「同志スターリンは意に介されない」
「勝利だ」
「勝利だけを望んでおられる」
まさにというのだ。
「だからな」
「今日の戦闘で我が旅団の損害は三割に達したが」
「それでも進撃命令は出ている」
「補充の兵と兵器はすぐに来る」
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