第二章
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「そしてだ」
「我々は戦死だ」
「そうなって次の政治将校が送られる」
部隊にというのだ。
「我々の後任にな」
「その繰り返しだ」
「我々も他の者も部品だ」
「そうだ、部品だ」
それに過ぎないというのだ。
「他の同志達と同じだ」
「戦争に勝つ為のな」
「どれだけ損害が出ても構わない」
これがスターリンの考えだ、彼はそれこそ戦争に勝つ為なら人民がどれだけ死んでもいいと考えているのだ。
「そうした存在だな」
「それは我々も同じでだ」
「何かあれば処刑か懲罰大隊だ」
「そして味方にも嫌われている」
「何時どうなるかわからない」
「そうした立場だな」
「そんな中でどうして生きるか」
それがというのだ。
「問題だな」
「ああ、全くだな」
二人でテントの中でひっそりと話した、そして翌朝。
固いパンだけの粗末な食事を食べてからの部隊の士官達の連隊長を中心とした外での会議において士官達は何も言わないコズイネンとドロコビッチを見ていた、そしてだった。
連隊長であるアレクセイ=コロツキー大佐はコズイネンに問うた。
「同志コズイネンはどう思うか」
「私の考えですか」
「そうだ、どう思う」
こう問うのだった。
「前にいる敵にだ」
「積極的に攻撃を仕掛ける」
「それでいいと思うか」
「はい、師団の決定でもあります」
前面に対する攻勢はというのだ。
「それならです」
「今日はだな」
「攻勢を仕掛けましょう」
ドイツ軍に対してというのだ。
「そうしましょう」
「同志ドロコビッチもそれでいいか」
コロツキーは今度はドロコビッチに問うた。
「それで」
「私も同志コズイネンと同じ考えです」
ドロコビッチも答えた。
「それで」
「そうか、ではだな」
「はい、攻めましょう」
「本日九時より我が連隊は敵正面に攻撃を仕掛ける」
コロツキーはあらためて言った。
「戦車を前に出してだ」
「随伴兵も連れて」
「そうしてですね」
「歩兵も共にだ、援護は砲兵連隊がしてくれる」
師団の中にある彼等がというのだ。
「そうしてくれる、ここは攻めるぞ」
「わかりました」
「そうしていきましょう」
「ここはそうしてです」
「ナチに勝ちましょう」
他の士官達も言った、そしてすぐに攻撃用意が整えられ。
T−34に多くの随伴兵を乗せて前に出させた、それに歩兵も一緒に行かせて連隊は攻撃を開始した。
だがドイツ軍は彼等に容赦ない攻撃を浴びせてきた、大砲も戦車砲も機関銃も一斉に火を噴いてだった。
そうして戦車も随伴兵も歩兵も薙ぎ倒していく、破壊された戦車が止まり吹き飛ばされた兵士達の腕や足が散乱する。
その状況を見てコズイネンはコロツキーに言った。
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