第109話 難楼 後編
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とをすればどうなるかは承知しているはず。私は彼女と会話をするために呼んだ。だから、現時点で拘束は不要」
私が難楼の鎖を外すように促すと、冥琳は溜息をつき衛兵に命令しました。
難楼は私の行為に少し警戒感を抱いたような表情をしました。
別に他意はないです。
彼女が辛そうだったので鎖を解いただけです。
それに彼女が仮に毒を塗った短剣で私を襲ったとしても体に傷を負わせることなどできないです。
鎖を解かれた難楼はしばらく鎖で拘束した部位をさすっていました。
彼女の手首がかなり痛々しいですね。
「痛むのか?」
彼女が手首が痛いのは分かっていましたが敢えて聞きました。
「いえ、この程度大丈夫です」
難楼は私を真っ直ぐに見て応えました。
真近で難楼を見ましたが本当に美人なのですね。
彼女の顔は均整が取れ、特徴的な赤い髪は後ろで一つに纏め、体に目をやると無駄な肉のなさそうなスレンダー体型をしています。
「ごほん」
冥琳が私に向けて咳払いをしました。
すいません。
難楼に見とれていました。
「え〜と、そのなんだ・・・・・・。私は今回、お前より献上された女性より1名を側室として娶ろうと思っている」
冥琳のキツい視線から目を反らし、難楼に本題を告げました。
「3名です」
冥琳が私に独り言のように小さい声で呟きました。
「冥琳、言わなくても分かっている。上谷郡の烏桓族の女性より1名。後の2人は別の部族より娶る」
私は冥琳の方を疲れた表情で見ました。
「そうでございますか」
冥琳はそれだけ言うとそれ以上何も言いませんでした。
「私は上谷郡の烏桓族より娶る女性は難楼、お前にしようと考えている」
私は気を取り直して、難楼を真っ直ぐに見ました。
彼女は少し驚いた表情をしましたが、直ぐに平静を装っていました。
ですが、彼女の表情は平静を装いつつも強張っているのがわかります。
覚悟はあっても、それが現実となれば動揺してしまうのはしょうがありません。
「お前以外の今度、私へ献上された女性は家族の元に返すなり、お前の侍女にするなりしても構わない。ただ、侍女にするにせよ全員を面倒見てやることはできない。大半の者は家族の元に帰って貰う」
私はまず自分の希望を告げました。
流石に女性千人の生活の面倒を見ることは金銭的に難しいです。
彼女達は私にとって、望むべくして献上されたんじゃありません。
10人の女性だって必要なかったです。
上谷郡の烏桓族の虐殺を回避するために行った処置です。
折を見て彼女達を返すはずが、いつの間にか彼女達の中から側室を貰う羽目になっています。
でも、
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