第四章
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「結構古典を読んでいますと」
「出るの」
「日本ってそういうの普通じゃないですか」
「それね、織田信長さんとかね」
明星はこの人物の名前をここで出した。
「有名よね」
「はい、それでなんです」
「あの作品もなの」
「実は、らしくて」
「それでなのね」
「はい、それで今読んでいますが」
その東海道中膝栗毛をというのだ。
「そのことを念頭に入れて読んでいますと」
「弥次さんと喜多さんいちゃいちゃしてるの」
「お笑い要素強いですが」
この二人が旅の途中で起こす騒動が魅力の珍道中ものである。
「しかしです」
「それがなのね」
「それが結構」
「恋愛ものでもあるのね」
「はい、そっち系の」
所謂ボーイズラブのというのだ。
「そうなんです」
「そうだったのね」
「ですから」
奈央は明星にさらに話した。
「読んでいてです」
「奈央ちゃんとしてはなのね」
「いいです、そうした恋愛も」
「ううん、古典派も凄いわね」
「現代に負けてないですね」
「考えてみれば源氏物語も」
この古典の代表作と言っていい名作で奈央も好きな作品もというのだ。
「凄いわね」
「幼女引き取ってね」
「奥さんにしていて」
「それでお父さんの奥さんと」
つまり義母と、というのだ。
「それで三角関係もざらだし」
「凄いですよね」
「古典は侮れないわね」
「はい、それでこれからも」
「古典の恋愛読んでいくのね」
「そうしていきます」
こう明星に言ってだった、奈央はサウナと水風呂そして湯舟を行き来しつつ明星と話していった。風呂場では古典そして明星の好きな異世界ものの話だったが飲みに行くと野球の話をした、それから。
奈央は結婚したがその相手は。
「源氏の君じゃないのね」
「はい、そうなんです」
その時には既に所謂一般男性と結婚していた明星に話した。
「先輩と同じで」
「一般男性なのね」
「はい、作家さんですが」
その仕事はというのだ。
「言うなら武者小路実篤ですね」
「そうした人なのね」
「源氏の君ではないです」
容姿も性格もというのだ。
「そうです」
「あくまで物語は物語ね」
「それで現実は現実ですね」
「そういうことね」
「はい、ただそうした物語では悲しい結末も多いですが」
源氏物語を念頭に言った、この物語では源氏の君の因果が巡り悲しい恋も多い。
「私達はです」
「その為に努力して」
「幸せになります」
こう答えた、そして奈央は実際にだった。
結婚して夫と幸せな家庭を築いた、野球選手としてだけでなく家庭人と幸せになった。そこは古典にあるロマンスとは違っていた。そしてそれは明星もだった。彼女は古典については造詣は深くなかったがそちらも努力してそうな
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