第三章
[8]前話
「旅に出ることが」
「私にとって一番の喜びです」
「私もです」
曾良は芭蕉にまた笑顔で応えた。
「何処に行くか」
「そのお話をしてですね」
「二人で用意をして」
「そしてですね」
「そのうえで旅に出て」
「共に旅路を歩くことが」
「そのことが」
まさにというのだ。
「最高の楽しみですね」
「私達にとっては」
「二人で暮らして」
そしてというのだ。
「二人で旅に出る」
「それがいいですね」
「そして貴方もですね」
曾良は芭蕉を見てさらに言った。
「俳句の方も」
「頑張れます、貴方と共にいるなら」
それならというのだ。
「非常に」
「左様ですね、では」
「これからもですね」
「はい」
芭蕉も笑顔で応えた。
「俳句を詠んでいきます」
「そうされますか」
「貴方と一緒なら」
芭蕉は曾良をいとしげに見つつ言った。
「何処に行っても楽しく観る景色もです」
「それもですか」
「非常にです」
それもというのだ。
「素晴らしく観えますので」
「俳句もですね」
「調子よく詠めます、ですから」
「これからもですね」
「二人での旅を」
それをというのだ。
「していきましょう」
「それでは」
二人で寄り添って話をしてた、いとしげに見詰め合いながら歩いていった。二人は旅の間ずっと離れることはなかった、しかし。
諸藩の武士達はその彼等を注視したままだった、だが二人の真実は知らなかった。二人の関係がどういったものか。
実は二人で 完
2021・1・11
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