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おぢばにおかえり
第六十四話 阿波野君と先輩その三

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「誰でも自分を嫌いな人は持っているものよ」
「そうなんですか」
「そう、だからね」
「先輩もですか」
「私を嫌いな人もいてね」
「阿波野君もですか」
「そうした人がいてもね」 
 それでもというのです。
「不思議じゃないし私は嫌われる要素があるから」
「残酷なことですか」
「意地悪だし」
「先輩が意地悪って」
「だから聞こえる様に悪口言ったことは事実よ」
「高校の校門で」
「本当にしたし神殿でも言ったから」
 このことも事実だというのです。
「だからね」
「先輩は嫌われるんですか」
「彼に嫌われても当然だから」
「けれど阿波野君が見たことじゃないし」
 そしてされたことでもないです。
「聞いただけで嫌うことはよくないです」
「それはそうだけれど」
「とにかくお会いしてくれますか?」
「ええ、ちっちのお家に行ってみたいし」
「本当に何かあったら怒りますから」
 このことを保証しました。
「ですから安心して下さい」
「わかったわ、じゃあね」
「はい、では明日ですね」
「私も明日は何もないし」
「丁度いいですね」
「あの子が何時来るかだけれど」
「あっ、朝早くから来ます」
 何故かです、本当に朝ご飯を食べ終わった時間に来ましたしさっき携帯で確認したら明日もその時間に来るそうです。
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