第三話 少しずつでもその一
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第三話 少しずつでも
春休みの間咲は愛と毎日の様に会って色々と話を聞いていた、その中でメイクやファッションの勉強もしていたが。
愛は咲の今のメイクを見て親指を立てんばかりにして言った。
「いい感じよ」
「いけてるのね」
「ええ、今までで一番ね」
こう咲に答えた。
「奇麗よ」
「じゃあメイクはこのままね」
「そのまま続けていったらね」
「いいのね」
「咲ちゃんは手早く薄めがいいわね」
「ナチュラルメイク?」
「そう、私もそっちだけれど」
自分もナチュラルメイク派だがというのだ。
「咲ちゃんもね」
「ナチュラルメイクにして」
「もう手早くね」
「それがいいのね」
「うちのお父さんだって今は髪の毛が薄いけれど」
愛は笑って家族の話もした。
「昔はオールバックにしてたでしょ」
「そうだったわね」
「あれは骸骨ブラシにジェル塗って一気にだったのよ」
「そうだったの」
「それがいい場合もあるのよ」
「叔父さんオールバックにこだわりあったみたいだけれどね」
「それで今内緒だけれど」
自分の部屋だがだ、愛は無意識のうちに小声で話した。
「今植毛してるのよ」
「そうなの」
「それで近いうちに増えるから」
その髪の毛がというのだ。
「お父さんその時はまたね」
「オールバックにするの」
「そう言ってるから」
それでというのだ。
「待ってろとか言ってるわ」
「そうなのね」
「ちなみに人によるけれど男の人に髪の毛のお話は厳禁よ」
「それ言うと怒るのよね」
「誰だってね」
そうだというのだ。
「だから叔父さんにもね」
「お父さん髪の毛あるけれど」
「今はね、けれど将来はね」
「わからないのね」
「男の人の髪の毛ってわからないから」
「抜ける時は抜けるの」
「一気にね、遺伝では違ってもスズメバチ何匹かに頭刺されたりしたら」
その時はというのだ。
「抜けるから」
「蜂の毒で」
「ちなみにこの話の人私の知ってる人で一度に二十数ヶ所刺されたのよ」
「よく生きてたわね」
「何とか血清打って助かって」
「頭それだけ刺されてなの」
「助かったけれど」
命はそうなったがというのだ。
「髪の毛の方はね」
「抜けたのね」
「その時を境にしてね」
「それは怖いわね」
「こうしたこともあるから」
それ故にというのだ。
「男の人にはね」
「髪の毛のことはなのね」
「禁句よ」
絶対に言うなというのだ。
「いいわね」
「そういうことね」
「本気で怒る人いるから」
実際にというのだ。
「だからね」
「よくわかったわ」
咲も納得して頷いた。
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