最終章:無限の可能性
第292話「英雄達の帰還」
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た。
仮拠点は基本テントで作られており、既に街中に散らばっていた住民も集まっている。
「司!」
「あ、玲菜ちゃん」
その中に、司の学友でもある玲菜がいた。
遠くの方には玲菜の彼氏である聡もおり、こちらに気づいていた。
「では私はこれで。積もる話もあるでしょうから」
「あ、うん」
祈梨はそんな司達に気を利かせ、席を外した。
「よかった……帰ってきてたのね……」
「何とかね……。それよりも、皆戦ったみたいにボロボロだけど……」
心配する玲菜だけでなく、住民のほとんどがボロボロだ。
それも、ただ被害にあったというよりは、戦ったかのように。
「戦ったのよ」
「えっ?」
「私達も、負けたくないって思って戦ったのよ。あの時聞こえた声で奮い立って、ただ我武者羅にね。……少しでも、司達の力になりたかったから」
「……そっか……」
世界中の英雄を召喚したあの時、“世界”からの声を玲菜達も聞いていた。
優輝達が戦っていると知っているが故に、戦おうと決意したのだろう。
「まぁ、単純な戦いだと足手纏いでしかなかったんだけどね。私なんて、そこらにある石を投げるしか出来なかったし。……それでも通じたのには驚いたけど」
「あはは……まぁ、単純な戦闘は前提でしかないからね。バトル漫画とかにあるでしょ?意志で戦力差をひっくり返すっていうの。今回のはあれが顕著に出たようなものだから」
「だからって極端すぎない?おかげで力にはなれたけども」
なんやかんやで久しぶりの再会に会話が弾む。
ふと、司が視線を向ければ、別の場所ではなのはやアリシアなどもクラスメイトと再会したのか、色々会話していた。
「事情はある程度聞いたのだけど、その……」
「どうしたの?」
言い淀む玲菜。
代わりに聡が合流して、言葉を続けた。
「優輝は……どこにいるんだ?」
「ッ……!」
友人と会った時点で、司も何となくわかってはいた。
優輝についてを尋ねられる事を。そして、その返答次第でどうなるかも。
「優輝以外の見知っている顔はほとんど見た。でも、優輝だけは……!」
「それは―――」
どう誤魔化そうか、それとも正直に答えるか。
司は逡巡する。
「―――優輝が帰ってくるのは当分先よ」
だが、先に答える者がいた。
「緋雪、ちゃん?」
「いや、緋雪ちゃんじゃないよ」
似ているが故、玲菜は見間違えたが司が訂正する。
優奈がいつの間にか近くに来ていたのだ。
「初めまして、ね。私は優奈。……そうね、優輝が帰ってくるまでの代理的存在とでも言っておこうかしら?」
「代理的……」
「存在
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