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レーヴァティン
第二百一話 関東から戻りその五

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「随分違うからな」
「それはあるたいな」
「そうだな」
「私もそう思うとよ」
 実際にとだ、香織も答えた。
「自分自身に誓うよりもたい」
「神仏に誓うとな」
「自分より、人間よりも遥か上の存在たい」
「その存在に誓うと観られていると思い」
 そしてというのだ。
「やはりな」
「違うたいな」
「だから俺もそうする」
 鎌倉の八幡に参ってというのだ。
「いいな」
「ではたいな」
「明日にでも行くぞ」
 こう仲間達に言って実際に次の日にだった。
 英雄は仲間達を連れて鎌倉の八幡に入った、それと共に時間の許す限り鎌倉の名のある神社や寺に参った。
 それが終わってから江戸城に戻ったがここでまた言った。
「これで新たにな」
「気が引き締まりましたね」 
 大坂にいて智と代わった謙二が応えた、仲間達も全員鎌倉に参りそして鎌倉で彼と交代したのである。
「油断しない様になりました」
「そうなった、やはりな」
「神仏に誓うことも」
「このこともだ」
「大事ですね」
「そうだ、そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「これでやっていく、誰かに言われてもだ」
「気は引き締まりますが」
「それよりもな」
「自分から神仏に誓う」
「それの方が強くだ」 
 人に言われてそうするよりもというのだ。
「心に残ってな」
「気も引き締まります」
「実にな、それと天守閣だが」
 江戸城のそれのことも話した。
「避雷針を備えた」
「これで落雷もですね」
「恐れない、この世界にもあってよかった」 
 避雷針、それがというのだ。
「あれがないとな」
「落雷を受けて」
「そして燃え落ちてしまう」
 天守閣もというのだ。
「事実ぞうなった話は多い」
「実は大坂城も」
 謙二はこの城の話をした。
「起きた世界でのことですが」
「二代目の天守閣だな」
「そうです、初代は大坂の陣で焼け落ち」
「城自体もなくなったな」
「そして江戸時代に再建されました」
 大坂の陣の後でのことだ、幕府の西国統治の要としてもうけられた。元々幕府は大坂とこの城が欲しかったので悲願達成と言うべきか。
「そして天守閣もでしたが」
「その天守閣がな」
「落雷を受け」
「焼け落ちたな」
「そうなりました」
「そうだったな」
「そして長い間あの城に天守閣はありませんでした」
 このことは江戸城と同じであった、幕府は東西の政のそれぞれの要の城に天守閣をもうけていなかったのである。
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