四十七 囚われ
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にこの場へ訪れた事を歓迎されていた。
その事を踏まえても『暁』に一目置かれている存在だと言える。
しかしながら、今、自分が生きていることを鑑みると、本当に『暁』の仲間なのか疑問が生じる。
アスマの問いに、フードを目深に被った当の本人は、軽く肩を竦めた。
「俺は何処にも属さない。誰の味方もしない。強いて言うならば、」
かつて九尾に《誰の味方なんだ?誰の為に動いている?》と問われた際に答えたものと同じ返答を繰り返す。だが続けた言葉は九尾とはまた別の返答だった。
「貴方を助けたのは俺の自己満足だ」
得体の知れない相手の返事に、アスマは益々眉間の皺を深めた。
「…ただの勝手で、俺を助けたと?」
「三代目火影には借りがあるからね」
フードの陰間から覗く瞳。
色すらわからないけれど、その双眸が細められたように見受けられた。
「息子の命で返させてもらっても構わないだろう」
空々しく答えるフードの人物に対し、アスマは勢いよく立ち上がった。
「だから何故、火影の…親父の生存を知っている!?これは里の機密事項だぞ!木ノ葉の忍びでさえ一部しか知り得ぬ情報を何故、」
掴みかかろうと手を伸ばす。
しかし、その手はフードの人物の前に割って入ってきた青年によって遮られた。
「近づかないでください」
突っかかろうとするアスマから、フードの人物を守るように、立ちはだかる青年。
お面を被り、表情こそ見えないものの、彼からは得体の知れない存在への敬愛が感じられる。
怯んだアスマはしかし、気を取り直して、果敢に詰問した。
「俺を生かして、どうしようってんだ?」
「なにも」
間髪容れずの返事はとても信じられない。
怪訝な表情で睨み続けるアスマに、フードの人物は苦笑を零した。
本当に何もしないのだが、助けられた本人はそれでは納得しないだろう。
少しばかり思案するかのように唇に人差し指を添えた謎の存在は、やがて視線をアスマから外した。
どこから入り込んだのか。
いつの間にか、アスマの傍を飛んでいる白い蝶に眼を留める。
「だが、まぁ…そうだな。暫く、おとなしく眠っていてもらおうか」
「な、に…」
「貴方の死で得られるものもあるということさ」
実際に死んでもらうわけではないが、死んだと思わされている人々にとってはアスマの死は様々な影響を及ぼすだろう。
特に、教え子であり、実際に目の前で師が(アスマ本人ではないが)死んだ瞬間を目の当たりにしたシカマルなど、どう変化するのか、とても興味深い。
「起きた頃には、悪夢もとうに終わってるさ」
シカマルに本気になってもらう。
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