四十七 囚われ
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むざむざ処罰させるのは罪悪感を覚える。
「そういえば、奴の得物はどうした?」
元霧隠れの七人衆のひとりである再不斬と言えば、首切り包丁だ。
その在処を問えば、カカシが間髪容れず、返答する。
「再不斬の手が届かない遠く離れた場所に厳重に保管しております」
そう返事しながら、カカシは再不斬を拘束した際の光景を思い出す。
カカシが現場に駆け付けた時には、首切り包丁は再不斬から遠く離れた場所に突き刺さっていた。どうやら『暁』の誰かに弾き飛ばされたらしい。
再不斬の手元に得物はなかった。その事が幸いして、案外易々と連行できたのだと、カカシは考える。
もしもあの時、再不斬が首切り包丁を持っていたと考えるとぞっとする。
あの大きな得物で抵抗されたら、拘束に苦労しただろう。
無駄な労力を使わずに済んだ、と安堵の息をついたカカシは知らない。
首切り包丁を手放している状況をあえてつくる事で、警戒をさほどさせずにあっさり連行させたという事実を。
得物である首切り包丁が再不斬の手元にあれば、木ノ葉忍びとの戦闘は避けられまい。
それをわざと回避する為に、首切り包丁を自然な形で再不斬から遠ざけたのである。
それを知っているのは再不斬本人と──首切り包丁を離れた場所へ遠く蹴飛ばした相手だけだった。
「三代目火影が目覚めた時、息子の貴方がいないと悲しむだろう?」
四方を鏡で閉ざされている。
周囲を見渡しても、己の焦った顔が映り込むだけで、アスマは益々焦燥感を募らせた。
目の前のフードを目深に被った人物は一体何者なのか。
『暁』との戦闘中に割って入ってきた存在であるからには、もしや自分は捕虜として囚われたのか。
人質となったことで木ノ葉に甚大な被害を起きるのであれば、自害するほうがマシだ。
一瞬考えた自決は、しかしながらフードの人物によって遮られた。
「無謀な真似はしないほうがいい。せっかく拾った命だ」
まるで自殺しようとした己の思考を読んだかのような物言いに、アスマの背中に冷や汗がつたう。
親子だと知っている。
木ノ葉の里でも自分と三代目火影が親子だと知りえるのは極一部だ。
聡いシカマルはとっくに知っていたものの、教え子である第十班のいのとチョウジでさえ、親子関係だとは知り得なかった。
「…お前は、『暁』ではないのか…?」
飛段と自分の闘いに割って入ったにもかかわらず、『暁』の二人組からは戦闘を邪魔されたことに関して、何の非難も受けなかった人物。
むしろ飛段の鎌を勝手に奪っても、逆
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