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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第126話
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「ふえ?それってどういう事なんですか……?」

トワの話を聞いて疑問を口にしたアッシュに対して答えたオリヴァルト皇子の推測を聞いたティータは不思議そうな表情で訊ねた。



「ティータ君達にも以前に説明したようにヴァイスラント新生軍の目的は敗戦後のエレボニアの”誇り”――――――つまり、”連合が占領するつもりでいた領土の自治権を自分達に委ねてもらう事”を認められる為だ。恐らくミルディーヌ君達は連合の手を借りずに自分達の力だけで奪還した領土に関しては連合はミルディーヌ君達に対して何らかの”条件”も要求せず、自治権を認めると判断している……いや、もしくは連合との話し合いで決まっていたのかもしれないね。」

「ましてやオルディスはカイエン公爵家もそうですが、帝国貴族達にとっても”本拠地”となる地ですからね………カイエン公爵家としての”誇り”を守る為にもオルディスの統治を他勢力に委ねる事は絶対にできないでしょうし、戦後帝国貴族達が彼女を”カイエン公爵家の当主”として認めざるを得ない”実績”を作る為かもしれません。」

「”実績”………帝国政府によって奪われた帝国貴族達にとっての本拠地であるオルディスの奪還並びにエレボニアの敗戦後、オルディスの統治権を連合に認められる事、ですか。確かにそれならば帝国貴族達も実績もなく、若輩のミルディーヌ公女を”カイエン公爵家の当主”として認めるでしょうし、他のカイエン公爵家の当主候補達との跡継ぎ争いにも優位に立つことも可能でしょうね。」

オリヴァルト皇子とセドリックの推測を聞いたミュラーは複雑そうな表情で呟いた。

「ったく……祖国の存亡がかかっているんだから、実家の跡継ぎ争いなんて気にしていられる場合かよ。」

「まあ理由はどうあれ、”戦後”の事を考えるとミルディーヌ公女が”エレボニア側のカイエン公爵家の当主”になる事はあんたにとっても都合がいいんじゃないかしら?」

「ハハ、そうだね。ユーディット嬢達がクロスベルに帰属した以上、”現在残っているエレボニア側のカイエン公爵家の当主候補達”のメンツを考えるとむしろミルディーヌ君にエレボニア側のカイエン公爵家の当主になってもらわないと、アルノール皇家もそうだが、エレボニア帝国自身にとってもかなり都合が悪いからね……」

アガットは呆れた表情で溜息を吐き、シェラザードに問いかけられたオリヴァルト皇子は苦笑しながら答えた後疲れた表情で溜息を吐いた。



「あれ?殿下のその口ぶりだと、ミュゼちゃん以外にも”エレボニア側のカイエン公爵家の当主候補”がいるんですか?」

「ああ。現在残っている”エレボニア側のカイエン公爵家の当主候補”はミルディーヌ君以外にも二人いてね。一人はユーディット・キュア姉妹令嬢達にとっての兄君にして前カイエ
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