第126話
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事がわかり、今回の件にその”ある3つの要素が揃う事は絶対にありえないから”です。」
「”ある3つの要素”………?それは一体どういったものなのでしょうか?」
ルシエルの答えが気になったプリネは続きを促した。
「まず一つ目は”正当なノルティア州を統括する主の資格を持つ者”の存在です。」
「”正当なノルティア州を統括する主の資格を持つ者”………アンゼリカ先輩か。確かに幾らログナー侯爵に忠誠を誓っているとはいえ、その娘であり、ログナー侯爵の一人娘のアンゼリカ先輩の主張はノルティア領邦軍にとっては決して無視できないものだな。」
ルシエルの説明を聞いてアンゼリカを思い浮かべたリィンは静かな表情で呟いた。
「ええ。次に先程挙げた”正当なノルティア州を統括する主の資格を持つ者”に連動する形になるのですが……”アンゼリカ・ログナーという存在によるノルティア領邦軍への影響力”です。」
「……なるほどね。ログナー侯爵自身が”武闘派”である事から元々ノルティア領邦軍のログナー侯爵に対する忠誠心は他の領邦軍と比べると一際篤い上、アンゼリカお姉さん自身もノルティア領邦軍からは慕われている様子だったものね。」
二つ目の理由を聞いてすぐに事情を察したレンは納得した様子で呟いた。
「はい。そして最後の理由はノルティア領邦軍が去年の内戦の件でログナー侯爵同様アルノール皇家に対して罪悪感を抱いていた為、アルノール皇家の正当な後継者である皇太子とその兄皇子が内戦の件を持ち出した上での”勅命”に対して本能的に逆らう事ができなかったからです。」
「……ただでさえ彼らにとっての”主”であるログナー侯爵が内戦の件でアルノール皇家に対して罪悪感を抱いていた事も彼らは知っていたでしょうし、そのアルノール皇家の者達から”勅命”を出されてしまえば、内戦の罪を償う為にもその”勅命に従うのが当然”という風潮になっていた……という訳ですわね。」
「それは………」
最後の理由を口にしたルシエルの話を聞いてある推測を口にしたデュバリィの推測を聞いたリィンは複雑そうな表情を浮かべた。
「フム……確かにそれらの件を考えるとルシエルさんの推測通り、今回の件に紅き翼は同じ手を使って戦闘を中断させることができないのは”確実”だね。」
「ああ。今回我々が戦う敵軍は”領邦軍ではなく、正規軍―――――エレボニア政府の命令が絶対という考え”だから、例え彼らが”正当なラマール州を統括する主の資格を持つ者”の協力を取り付ける事ができたとしても、正規軍はその人物の言葉に耳を貸さない事は目に見えているな。」
「というかそれ以前に、あの人達が”正当なラマール州を統括する主の資格を持つ者”の協力を取り付ける事なんて”絶対に不可能”なんじゃないで
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