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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第126話
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か?」

複雑そうな表情を浮かべたトワに見つめられたラウラは表情を引き締めて続きを促した。

「『ヴィクター師の娘である其方も理解しているとは思うが、師が戦いによって果てる事は師自身も覚悟している。例え何者かの傀儡になろうとも師は戦いによって自身の命を奪った相手を恨むような狭量な人物ではない。そして戦いによって果てた父の”死”を受け止める事もまたアルゼイド流の後継者として……武人の娘としての”義務”だ。今回の件で師が果てた事でシュバルツァー達を恨むなとは言わないが、その件を理由にシュバルツァー達に”敵討ち”や”復讐”をするといった私もそうだが師を失望させるような事は決してするな。どうしても”敵討ち”や”復讐”がしたいのならば、師を見殺しにしてでもヴァイスラント新生軍の為、そしてミルディーヌ様の為にオルディスの奪還を最優先と判断した私にするがいい』……って内容をラウラちゃんに伝えるように言われたんだ……」

「……ッ!」

「何なのよ、その伝言は!子爵閣下の――――――ラウラにとってたった一人の父親の死を受け入れろだなんて、どうして将軍閣下はそんな酷い事が言えるのよ!?子爵閣下は”呪い”によって操られているのよ!?」

「つーか、その伝言内容だと”黄金の羅刹”は最初から子爵閣下はリィン達に討たれると判断しているようなものじゃねぇか。」

トワを通したオーレリア将軍の伝言内容を聞いたラウラは辛そうな表情で唇を噛み締め、アリサは怒りの表情で声を上げ、クロウは呆れた表情で呟いた。



「……オーレリア将軍は子爵閣下と同じ”武人”だからこそ、”呪い”によって傀儡と化している子爵閣下の気持ちを理解しているから、そのような言葉が出たのかもしれないな……」

「それはどういう事だい、ミュラー?」

複雑そうな表情で呟いたミュラーの推測が気になったオリヴァルト皇子はミュラーに問いかけた。

「……子爵閣下のお前や陛下達――――――アルノール皇家に対する忠誠は相当篤いものだ。――――――それこそ、”アルノールの懐刀”と呼ばれた俺達ヴァンダール家とも並ぶ程に。だからこそ、現在の子爵閣下の状況――――――陛下達の信頼を裏切り、世界を”終焉”へと導こうとするオズボーン宰相達の”傀儡”となっている事で子爵閣下の”武人としての誇り”や”貴族の義務(ノブレスオブリージュ)”を穢され続けている今の状況は子爵閣下自身にとって耐えられない屈辱の状態の為、そんな子爵閣下の苦しみから解放する為にはいっそ子爵閣下の命を絶った方が子爵閣下自身の為とオーレリア将軍は判断しているのかもしれないという事だ………」

「そ、それは………」

「ハッ、幾ら敵に操られている状況だからと言って、普通自分の”死”を望むなんてありえないぜ。」

「”普通の人間”
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