第一章
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それぞれの犬のサイズ
この時国崎文太は妻の由里子と共に家の愛犬ふわりの散歩に連れて行っていた、ふわりは二人の横をとことこと歩いている。
夫はそのふわりを見て妻に話した。
「毎日、雨でも雪でもな」
「お散歩はね」
「絶対に行かないとな」
「そうよね、何があっても」
「犬の為にもな」
「あの人達も途中までそうしていたのよね」
「女の方の腹が大きくなってな」
もう奥さんだの名前だの呼ばない、完全に軽蔑と嫌悪の声でこう呼んだ。
「動けなくなって只でさえ足りない頭の関心もな」
「ふわりに行かなくなって」
「散歩行かなくなってだ」
「旦那さんもよね」
「男の方も頭が足りないからな」
こちらにもこう言った。
「自分が散歩に行くとかな」
「考えなくて」
「それでだよ」
「行かなくなったのね」
「ご飯も忘れる様になってな」
「もうその時点でおかしかったのね」
「そうだった、そしてだ」
夫は妻にさらに話した。
「それからずっと散歩に行かなくてもふわりはな」
「我慢していたのね」
「そんないい子だ、だったらな」
それならというのだ。
「俺達は尚更な」
「大事にしないとね」
「あの馬鹿共を悪い意味での手本にしてな」
そうしてというのだ。
「ふわりと一緒にいるぞ」
「そうしないと駄目ね」
「ああ、それとな」
「それと?」
「ふわりはトイプードルだ」
今度はふわり自身のことを話した、今も元気に歩いている。
「小さいだろ」
「それもタイニープーートルというか」
「ティーカッププードルらしいな」
「トイプードルでもかなりな」
それこというのだ。
「小さい子だ」
「そうよね」
「そんな小さな子だからリードとかもな」
「あっ、犬っていっても」
妻は夫の言葉にはっとなった、街を歩いているが天気はよく散歩自体は実に機嫌よく出来ている。その中でのやり取りだ。
「色々ね」
「大型犬もいるだろ」
「シェパードとか秋田犬とか」
「普通位の子もいてな」
「小型犬もいるわね」
「それでトイプードルはな」
この種類の犬はというと。
「小型犬の中でもな」
「特に小さいわね」
「ふわりはとりわけだ」
その小型犬の中でもというのだ。
「何でも上に超が付く位のな」
「小型犬ね」
「そうだ、だからリードもブラシも」
そういったものはというと。
「それ用でないとな」
「駄目なのね」
「ああ、だからあの馬鹿共もな」
ふわりの前の飼い主達もというのだ。
「その時はおもちゃだったからな」
「おもちゃ用のなのね」
「ちゃんとしたリードやブラシを買ってな」
「使っていたのね」
「それを俺達がそのまま使っている」
彼等がふわり
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