暁 〜小説投稿サイト〜
崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
最終章『ふたりで…』
Fはやっぱり大団円で/王の野望は終わらない
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ぼり、全員が乗り込んだことを確認すると黄金の鹿号はすぐに上昇した。

「爆破って…」
「あんな島…あってはならない。あそこで行われた実験も、残されたデータも地理すら残さず前部爆散させる。」

そういって子安さんは手に持っていたスイッチを押す。
そして島の至る所で起き始める爆発。
地面は割れ、ビルは倒壊。かつて栄華を誇ったかの葛城財団は、こうして海の藻屑へと消えることになる。

もし、恋や正義がかろうじて生きていたとしてもあの爆発で確実に死ぬだろう。
うん、本当に、本当に全部終わったんだ。



と、
思った最中だった。

『おんぎやあああああああぁぁぁあああああぁぁぁ!!!!!!!!!』
「!!」

耳をつんざくような悲鳴。
思わず耳を塞ぎ、なんの声だと辺りを見回すと

「あれは…!」
「なんだよあれ…!」

叫びが聞こえたのは崩壊を始める財団本部から。
悲鳴を発したのは

「うそだろ…!?」
「嘘じゃないだろうな。俺達は今まであの島の上にいた。そう。"生きている島"のな。」

飛沫を上げ、何やら巨大なタコの触手のようなものがのたうっている。
そしてくずれゆく瓦礫や飛沫の間から見えた"何か"
それは顔だった。
巨大な、葛城恋の顔。
つまりあの島は、代表の顔をしたわけわからん生物の上に成り立っていた。

「クラーケン、じゃなさそうだね。」
「あんなタコのお化けいてたまるもんですか。」

ドレイク船長と武蔵がそう冗談を飛ばし合うが本当になんなのか分からない。
どうしてあんなものが?
どうしてそうなった?
今更謎だらけになったがもうそれに答える人物はいない。

『おぎゃあああああぁぁぁ!!!!おぎゃあ!!!!おぎゃあああああ!!!!』
「うるせーなマジで…!」

わけわからん生物はずっと赤子のように泣いている。
しかし

「おおおおあおぎゃあああああぁぁぁ!!!!!」

ぎょろりと、宙に浮かぶ黄金の鹿号に目が向いた。

「でかいのが来る!全員何かに掴まりな!!」

ドレイク船長が慌てて舵を切る。
しかし恋の顔をした謎の生物は触手を振り上げ、

「おんぎゃああああああぁぁぁああっ!!」
「!!」

黄金の鹿号に叩きつけた。

「ぎゃあああ!!落ちちゃう!!!」

叩きつけられたと言うが船体に触れたのはほんの先端。
しかし、それだけでも威力は凄まじく、壊れなかったもののグラりと大きく傾く船体。
それによっておっきーが投げ出されそうになるが、

「掴まれ!!」

手を伸ばし、何とか引き寄せた。

「あ、ありがとまーちゃん…。」
「しっかり掴まってろ。それとお前…重くなった?」
「今はそんな事言わないでバカ!!」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ