暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第104話『予選結果』
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 
場所は救護室。晴登が寝ているベッドの傍ら、チーム【日城中魔術部】が集結していた。


「さて、三浦も起きたことだし、改めて報告しなきゃな」


そう言って、こほんと一つ咳払いをする終夜。しかし、真面目ぶっているようで、その口角が上がっているのを晴登は見逃さなかった。


「さっきも言った通り、俺たち【日城中魔術部】は予選を通過した。16位でギリギリだけどな」


16位。それは予選を通過できる最低順位だ。とはいえ、100チーム以上いる中で16位というのは、とても誇らしいことである。
だが、ここで気になることが一つ、


「あの、ちなみに俺やみんなの順位は……?」


そう、これである。
予選の順位は4つの競技の順位の総和の小ささで決まるというルールなので、自分がどれだけヘマしたのか、どれだけみんなが良い結果を残したのか気になって仕方ない。


「三浦はえっと……あれ、暁、何位だっけ?」

「45位っすよ」

「げ……」


何てことだ。確か最後の山を登る時には30位を切っていたというのに、まさかそんなに順位を落としていたとは。
でもそれなら一層、みんなの順位が気になるというもの。


「あ〜そうそう。で、辻が17位。これでも充分凄いんだが、なんと……」


伸太郎の記憶を借りながら晴登に説明していく終夜だったが、そこで一度言葉を区切った。何だか、肩透かしを喰らった気分である。早くその先を教えて欲しい。
そんな焦れた様子の晴登を見て、終夜はニヤリと笑って──


「俺と結月が1位だ」

「え、1位!?」

「あ、暁! 俺が言う流れだったろ!」


だが、終夜が言うよりも早く、伸太郎が口を挟んだ。その行動に終夜はごねるが、伸太郎は鼻で笑うと、


「俺が1位を取ったんです。ドヤってもいいじゃないすか」

「くっそ、何も言い返せん」

「でもホントに凄いや、暁君」


珍しく上機嫌な伸太郎。それもそのはず、格上の魔術師揃いの競技で彼は1位を取ったのだ。詳しくは知らないが、まぐれという訳でもあるまい。取るべくして取った1位なのだろう。


「ちょっとハルト、ボクのことは褒めてくれないの?」


伸太郎に感心していると、不意に横からムスッとした声が飛んでくる。見ると、結月が頬を膨らませてこちらを睨んでいた。可愛い。
伸太郎が1位だということに驚きすぎて、結月も1位だったということをつい忘れてしまっていた。


「え、あ、うん、もちろん凄いと思ってるよ! さすが結月!」

「ふふん、そうでしょそうでしょ。惚れ直した?」

「へっ!? いや、それは元々惚れてると言うか何と言うか……」


早口にはなったが、本心から結月
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ