第104話『予選結果』
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「いや、結構凄いことじゃないですかこれ」
「そりゃ魔導祭は魔術師たちにとってのオリンピックみたいなもんだ。これくらいあって然るべきだろ」
「そういうもんなんですか……」
目の前に聳え立つ大きなホテル。そのあまりの立派さに、晴登は嘆息するしかない。
というかこんなに大きいのに、ここまで近づかないと存在すら認知できなかった。もしかすると、魔術で隠されていたのかもしれない。ロマンだ。
中に入ると、内装も外装と遜色ないものだった。そこらのビジネスホテルよりもよほど金がかかっている気がする。
案内された部屋も、大きなベッドが4台あり、洋風で広々としていた。
「俺たちは男子2部屋女子1部屋だ。この部屋は俺と三浦と暁で使う」
「じゃあ2年生で1部屋っすね。てか、俺たちまで泊まっていいんですか?」
「チームなんだから当たり前だろ。まぁこのホテルが小さかったら野宿だったけどな」
「「ひっ……!」」
終夜の脅しに2年生たちが悲鳴を上げる。とはいえ、実際には部屋を割り当てられているからそんなことにはならないが。
「ようやく私は女子1人から解放か〜。よろしくね、結月ちゃん!」
「はい! ……ハルトと相部屋じゃないのはちょっと残念ですけど」
「ちょっ、結月何言ってんの!?」
「「みーうーらー!!!!」」
「わぁぁ先輩待って! 待ってください! 違うんです!」
ふと零れた結月の言葉を、誰も聞き逃すことはなかった。結果、晴登は嫉妬に駆られた2年生方に追いかけられる始末だ。
そしてそれを見て、元凶である結月はクスクスと笑っている。全く、誰のせいだと思っているのか。そんな意地悪な所も彼女の魅力ではあるのだが。
「はいはい茶番はそこまでだ。明日から待ちに待った本戦なんだぞ。気を抜きすぎるな」
「「へ〜い」」
「という訳でミーティングをやるぞ。今日貰った資料によると、例年通り本戦は"戦闘"を4日間に渡ってトーナメント形式で行なう。負ければその時点で敗退だ。あと、戦闘の特別ルールは当日発表らしい」
「特別ルール?」
「戦闘するっつっても、特別なルールがある訳よ。そこまで奇を衒ったものじゃないが、一対一とは限らなかったりする」
「なるほど……」
終夜の説明によると、明日から行なわれる本戦の戦闘は、方式がランダムということのようだ。一対一に限らないということは、二対二や四対四もありえるという訳か。もしかすると、バトルロワイヤルの可能性もある。しかし、やはり去年の状況を知らないために予想がつかない。
「ま、そこは各自どうにかしてくれ。俺からすれば、本戦に出れるだけで嬉しいんだからな
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