第104話『予選結果』
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を褒めると、彼女はご満悦のようだった。しかし、最後に付け足された問いの答えに戸惑ってしまう。
「おい、急に惚気け始めたぞこいつら。追い出すか?」
「賛成ね。もう三浦も元気そうだし」
「ちょ、待ってください!?」
するとその様子を見た終夜と緋翼がからかってくるので、もう収拾がつかない。
結局、騒ぎすぎて晴登以外全員救護室から追い出されてしまうのだった。
*
「三浦君、調子はどう?」
「あ、猿飛さん! 今はだるいですけど、明日には元気になってると思います」
「そう、良かった」
次なる来客は、ようやく見つけた師匠である風香だった。チームの他のメンバーは居らず、1人で来たようだ。
「ごめんね、あの時置いていっちゃって」
「いえいえ! 猿飛さんだって自分のチームがあったんですから、仕方ないですって! 俺なんか世話になりすぎたくらいですし……」
「それは私が好きでやったことだから気にしないで」
凄く申し訳なさそうな顔をする風香に、晴登の方がペコペコと頭を下げる。何度彼女に助けられたと思っているのだ。彼女がいたからこそ、晴登たちは予選通過したと言っても過言ではない。感謝するのはこちらの方なのだ。
「あ、そういえば猿飛さんのチームは予選どうだったんですか?」
「私たちは13位で予選通過。──だから、本戦で当たるかもね」
「……!」
風香の不敵な笑みに、無意識に背筋が伸びる。やはりと言うべきか、彼女たちも勝ち上がったようだ。
予選で垣間見えた彼女の実力を鑑みるに、今の晴登の"風"では到底及ばない。本戦の詳細は後で終夜から教えてもらう手筈だが、もし風香と戦闘をすることになろうものなら……
「早速師弟対決ってことですかね」
「ふふ、楽しみにしてるよ」
そう微笑んで、風香は部屋を後にしようとする。しかし、最後に振り返ると、
「ねぇ、もし明日空いた時間があったら一緒に特訓しない?」
「え、いいんですか?!」
「もちろん。それじゃあ、またね」
そう言い残して、彼女は去っていった。
まさかもう特訓の約束を取り付けられてしまうとは。これは是が非でも調子を戻さなくてはならない。
「よし、寝るか」
睡眠こそ、最大の休息法。元々疲れていた晴登は、すぐに深い眠りに落ちるのだった。
*
その夜、何とか身体を動かせるまでには回復した晴登は、選手たちの宿泊施設、いわゆる選手村にやって来ていた。というのも、魔導祭の会場が山奥なもんだから、日帰りの手間を省くためにわざわざ作られたのだという。当然、晴登たち【日城中魔術部】も宿泊する。
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