第二話 はざかいの時その九
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「絶対に」
「それでいいのよ、じゃあ春休みの間はね」
「私がモコのお散歩ね」
「運動も兼ねてね」
このこともあってというのだ。
「朝夕二回ね」
「お散歩ね」
「行ってきてね、犬を飼ってもお散歩もしないなんて」
「絶対に駄目ね」
「それをしないなら」
それ位ならというのだ。
「最初からよ」
「飼わないことね」
「そうよ」
そうすべきだというのだ。
「ワンちゃんにとって絶対だから」
「それはそうよね」
「全く、そんな人は生きものを飼うんじゃなくて」
「どうすればいいのよ」
「飼われればいいのよ、鬼にね」
「鬼になの」
「それで粗末に扱われればいいのよ」
こう言うのだった。
「そうね」
「厳しいわね」
「そんな人には当然よ」
「そこまで言うのね」
「厳しいかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「命がどれだけ大事か」
「そのことを思ったら」
「もうね」
それこそというのだ。
「そこまでしないとよ」
「駄目なの」
「お母さんはそう思うわ」
こう娘に言ったのだった。
「命を何とも思っていないなら」
「そこまで受けてもなのね」
「当然よ、そして咲はこれから間違ってもね」
「そんな人にならないことね」
「あんたが嫌うならわかるでしょ、そんな人が好かれるか」
「そんな筈ないわね」
「そんな人にならないことよ」
自分が嫌に思うならというのだ。
「いいわね」
「わかったわ、気をつけていくわ」
「くれぐれもね、じゃあモコのお散歩もね」
「行って来るわね」
「そうしてね」
こうした話をしてだった。
咲は夕方にモコの散歩に行った、モコはハイテンションで散歩に出て散歩の間ずっとはしゃいでいた。
それで途中近所のおばさんにであったがおばさんはそのモコを見て笑って言った。
「モコちゃん今日も元気ね」
「はい、元気過ぎる位です」
咲はおばさんに笑って答えた。
「今日も」
「そうよね、けれどワンちゃんはそれ位でないとね」
「駄目ですか」
「元気過ぎる位でないと」
それこそというのだ。
「駄目よ」
「そうなんですね」
「逆に元気でないと心配になるでしょ」
「はい、ここまででないと」
咲もこう答えた。
「私も」
「ワンちゃんはそうなのよ、もうお散歩とか遊びの時はね」
「元気過ぎる位元気ですよね」
「おもちゃを出してもね」
それで遊ぶ時もというのだ。
「そうでないとね」
「かえって心配になりますね」
「そうでしょ、だからモコちゃんもね」
「こんなに元気で、ですね」
「いいのよ」
「そうなりますね」
「ええ、ただトイプードルちゃんはね」
おばさんはモコの修理のことも言ってきた。
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