第三百四十一話
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第三百四十一話 今田先生の色香
使い魔達は起きた今田先生の浴衣姿を見て思わず言った。
「あまり、ですね」
「人には見せられないですね」
「あの、何といいますか」
「妖艶に過ぎて」
「私達は生きものの種類が違うので大丈夫ですが」
「人が見ますと」
「どうしても」
「そんなに駄目かしら」
今田先生は黒髪を下ろしていた。そして。
体型がはっきりと出ていた、そして雰囲気自体が艶めかしくかつ薄い生地だったので下着のラインが上下共出ていた。それで使い魔達も言うのだ。
「はい、絶対に駄目です」
「男の人だけではないです」
「女の人が見てもです」
「今のご主人様は危険です」
「あまりにも妖しいです」
「色気があります」
「それもかなりのものです」
こう先生に言うのだった。
「ですからすぐに着替えて下さい」
「法衣か普段着にされて下さい」
「ここで人が来れば」
「惑わされてしまいます」
「そうなのね。皆が言うなら」
それならとだ、今田先生も応えた。そしてだった。
使い魔達の助けを借りて法衣に着替えた、そのうえで彼等に問うた。
「これでいいわね」
「はい、浴衣姿はです」
「人前では出られないです」
「出られるとあまりにも危険です」
「ご主人様は只でさえお奇麗なのに」
「そこに妖しさが加われば」
「どうにもなりません」
使い魔達はまた口々に言った、だが先生はこう言うのだった。
「下着は普通のデザインで色も白で」
「そういう問題ではありません」
「下着の線も出ていましたし」
「それもはっきりと」
「そして体型もです」
「完全に出てて」
「しかも所々露わになっていました」
浴衣が乱れてだ。
「ですからそれで、です」
「普段着でお願いします」
「それか法衣で」
「今の服でなのね。それではね」
今田先生は笑顔で応えた、そしてだった。
法衣姿で日常に戻った、もう色香はなかったが奇麗なことはそのままだった。しかし色香がないだけかなり違っていた。
第三百四十一話 完
2021・2・11
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