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家族になった烏
第二章

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 ペンギンは大空に飛び立っていった、そして。
 暫くして戻って来た、これには夫も驚いた。
「おい、自然に帰らないのか」
「おうちがいいの?」
「ここがお前の家か」
「そうだっていうの」
「カア」
 ペンギンは夫婦に鳴いて応えた、それからもだった。
 窓を開けると空に跳び立つが絶対に戻って来た、これには家の息子達のルーベン、ノア、オリも言った。三人共父によく似ているが髪の毛の色は母のものだ。
「ペンギンは絶対に戻って来るよね」
「外に出ても」
「まるで外で飛ぶのはお散歩で」
「おうちはここみたいだね」
「そうね」
 母も息子達の言葉に頷いた。
「ご飯とお水は絶対にだし」
「絶対にここで食べるし」
「お家で食べるから」
「それならだね」
「もうペンギンは家族よ」
 そうなったというのだ。
「完全にね」
「そうだよね」
「僕達が看病して」
「その時で家族になったね」
「そうよ、だから絶対にうちに戻って来るのよ」 
 そうなったとだ、家族はペンギンが絶対に家に戻って来ることに笑顔を浮かべた。そうしていつも彼を外に出して。
 そのうえで戻って来ると出迎えた、すると。
 やがてペンギンは家に友達を連れて来る様にもなった、すると家族はこのことについても喜んでだった。
 夫はペンギンと同じ種類のカササギフエガラスが彼と共に家の中に来たのを見て妻に笑って話した。
「ペンギンは友達もいるんだな」
「そのお友達をお家に連れて来てくれるなんてね」
「このことも嬉しいな」
「そうよね、じゃあお友達にもね」
「楽しんでもらうか」
「ご飯あげましょう」
「いいな、そうするか」
 夫は妻に応えてだった。
 ペンギンにも彼の友達にもご飯をあげた、そして共に食べる彼等を見てまた笑顔になった。それは実にいい笑顔であった。


家族になった烏   完


                2021・4・26
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