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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第10話 『波』VS『水』?:前編
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〜ん、ここはこれかな。【滝符「フォールベール」】」
 そうスペル宣言をしたリュウセン。そして彼の周りを囲うように筒状の滝が出現したのであった。
 そして、その滝の流れによりルナティックガンの弾丸は見事に弾かれてしまったのだ。
「っ!?」
 これには鈴仙は驚いてしまう。掴みは良かった筈の自分の先手を巧みにかわされてしまったのだから。
 一通り自ら作り出した滝により敵の攻撃を回避した事を確認したリュウセンは、尚もまったりとした態度でスペルの解除をしたのである。
 それにより、彼の周りをまんべんなく流れていた滝はやがて小雨のようになり、そして完全にかき消えてしまった。
 その対処を見て、鈴仙は敵への認識を上げたのである。ただ美少女にしか見えない少年だけという事は断じてないのだと。
「見事ですよ、あなたの的確な状況判断。全く、緩い雰囲気に騙されてはいけませんね」
 鈴仙はそう相手を評価するのであった。それは、先の月の異変で勇美と共に戦ってきたからこそ実感出来る事なのだ。
「うん、あなたにそう言って貰えるのも悪くないかもね〜」
 対して、鈴仙に言われたリュウセンもそう返すのであった。彼とて、鈴仙の実力の噂は重々に耳に入れているのだ。だから、そのような相手に称賛の言葉を貰えるのは光栄というものなのである。
 故に、今この場に二人の間には互いに信頼出来る空気が流れてきたのであった。
 これは、リュウセンとは良い友達になれるかも知れないと鈴仙は思うのであった。性別はともかくとして。
 その気持ちはリュウセンとて似たようなものがあるのだった。故に彼は戦う相手への好感を覚えながら次なる行動へと移るのである。
「それじゃあ、次は僕の番だね」
 そう言うと、リュウセンはある物を懐から取り出したのである。それは……。
「ジョウロ……?」
 それは花に水をやるのに活用する道具、ジョウロそのものであったのだった。
 それも、象さんの形なジョウロであった。象さん持ちが象さんジョウロを使う、これ以上のオチがあるかという言葉が浮かんだものの、鈴仙は敢えてその言葉は口にしなかった。
 そのジョウロを持ちながら、リュウセンはスペル宣言を行う。
「【抹符「レイニースプラッシュ」】」
 そうリュウセンが宣言すると、ジョウロの先から勢いよく複数の水の流れが弾幕となって放出されたのであった。
 勿論、それは花の水やりの時に注がれる流れからは完全に逸脱していたのである。
 それは、正に降り注ぐ雨のようになって鈴仙を襲うのだった。
 だが、鈴仙は慌ててはいなかった。こういう『量』で押し計る攻撃の対処は彼女は大の得意であるからだ。
 彼女はキッとその雨の弾幕へと凛々しく視線を送ると、そのまま自身の瞳を赤く輝かせたのであった。
 それにより、雨の群れはまるで鈴
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