第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第7話 金属対決・別章:後編
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れようとしていた。液体の巨人がその手で敵のボティーを抉るように突っ込むと……本当に敵は抉れてしまったのだった。
そう、敵を構成する黄金の屈強な身体が、まるでプリンをスプーンで掬うが如くその部分が綺麗さっぱり刈り取られてしまっていたのである。
そして、身体を容赦なく抉り取られてしまった巨人は、自身の重さを支え切れずに床に倒れてしまった。
当然これにはクガネは驚愕していたが──同時に納得もしていたのであった。
何故なら、今敵を構成している成分が何だかを彼女は把握しているからである。
勇美は、彼を『キングウォーターマン』と称した。──それは即ち『王水』なのであった。
『王水』。それは、現存する物体で唯一金を溶かす事の出来る酸なのである。勇美はその物体を造り出してクガネの黄金に対処したという事なのだ。
黄金の巨人が倒れるのを見届けた勇美は、確認の為にクガネに対してこう言った。
「それで、この勝負。続けますか?」
その言葉を聞いてクガネは、一瞬呆けたものの、すぐに我に返って憑き物の落ちたような爽やかな笑みで以てこう答えたのであった。
「ゴールデンゴーレムは私の切り札です。それを破られた以上──私の負けですよ」
◇ ◇ ◇
こうして勇美の担当する区画での任務は無事遂行されたという事であった。敵のクガネはスペルカード戦のルールに従い、こう宣言した。
「では、これにてこの『三日月の塔』からは我々玉兎は撤退する事とします」
「うん、何か気持ちいい位話が早くて助かるよ」
これがスペルカード戦の力かと、改めて勇美はその影響力の凄さを噛み締めるのであった。
そして、いざクガネは身を引こうとする前に勇美にこう言うのだった。
「勇美さん。確かにあなたからはフルネームを聞きましたが、もう一度教えてはいただけませんか? あなたの名前はしっかりと頭の中に刻んでおきたいので……」
それがクガネが思う所なのであった。
王水の存在を知っていた事。そして、それをあの土壇場で活用した事。何より依姫から受け継いだその勇美のひた向きさにクガネは心打たれるものがあり、彼女の名前は確実に自分の胸に刻んでおきたかったのである。
「私の名前ですか……?」
対して勇美は、ここで余計な事を考えてしまうのだった。
まず、今別の場所で任務に当たっている者の一人の鈴仙は『月の兎』である。
そして、同じく任務に当たっているヘカーティアはモチーフが惑星であり、かつ姓のラピスラズリは瑠璃の意味である。つまりは『惑星の瑠璃』。
彼女達の……具体的には『三石○乃氏』『南○美氏』……。
それらが共演した、原作はギャグがあるながらも地に足を着けて描かれていたがアニメは『へっぽこ実験』的な試みで六割程粉微塵に粉砕された曰く付きの作品を思い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ