第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第7話 金属対決・別章:後編
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は心身共に痛手を負う事となるのだった。
だが、勇美は何とかそれを堪えてその場に踏み留まった。彼女とて、伊達に今まで弾幕ごっこで鍛えられて来てはいないのである。
「中々根性がありますね」
そんな勇美の様子を見ながら、クガネは本気で感心しながらそれを見守るかのような状態であったのだ。
対して、勇美はこう返した。
「そうやって余裕ぶっていられるのも、今の内ですよ」
「!?」
そう返した勇美の表情は、実に不敵なものであった。それを見たクガネは思わず目を見張ってしまう。
「つ、強がりも大概にしなさい。今のあなたがこの状況をどう覆すというのです!?」
そのように言葉を紡ぐクガネであったが、明らかに彼女の声色には動揺の色が含まれていたのだった。
そんな心境のクガネに追い打ちをかけるかのように勇美は口を開く。
「『大黒様』に『マーキュリー』様。その力を掛け合わせてみて下さい」
「何、その組み合わせは?」
思いもよらぬレパートリーに対して、クガネは警戒しながら身構える。そのような万全の体勢を取りながらも、彼女の不安の懸念は決して拭い去れなかったのであった。
そして、勇美はその神々の力をマックスへと取り込み、顕現させていく。みるみるうちに彼の形状は変化していった。
その過程を経てそこに存在していた者を見て、クガネは様々な感情を入り混じらせながら呟いた。
「……液体の……巨人?」
そう呟くクガネの心境は複雑であった。
まず、その巨体に対してである。自分の操る黄金の巨人にタメを張れるまでの大きさになった敵の操る存在に肝を冷やすのであった。
次に、何故液体なのかという点である。自分の黄金の巨人に対抗するには、些か頼りないのではなかろうかとクガネは思う所なのである。
そうクガネが思案している所へ、勇美からのスペル宣言が行われた。
「【王符「キングウォーターマン」】です。では行きますよ」
言って勇美は、その液体の巨人に攻撃指令を送ったのであった。その名前をクガネは脳内で反芻している内に、じわじわとそれが一大事となる事を悟っていった。
「……まずい! ゴーレムよ、ここは一旦退きますよ」
「もう遅いですよ!」
血相を変えて自身の相方へと呼び掛け身を引こうとするクガネに対して、勇美は容赦なくその撤廃を跳ね付ける態度を見せたのであった。
そして、勇美の形成した液体の巨人はその腕を無慈悲に振り下ろしたのである。
相手は黄金という、意外に柔らかいがそれだけ耐久力のある体躯の巨人であるのだ。その屈強なボディーを、液体で出来た腕で一体どうしようというのか?
端から見れば、そのような疑問が浮かんでくる事であろう。だが、今この場にいる者達にそのような暢気な考えを持つ存在はいなかったのである。
その理由が今、証明さ
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