第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第7話 金属対決・別章:後編
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たのである。
その衝突により、辺りには甲高い金属音が余す事なく響いたのであった。加えて攻撃は受け止めたものの、その振動は確実に伝わってきた。
「っ……!」
この激しい衝撃に、勇美は思わず怯みそうになる。だが、取り敢えずは彼女は無事に攻撃を抑えているのは事実である。
それを見ながらクガネは悔しい素振り等は見せる様子もなく、ただただ達観した風にその一部始終を見守っていたのだ。
「やはり、その盾の防御力は申し分ないですね。私の黄金の巨人の一撃を受け止めるなんてね……」
「まあね。この盾には何度も助けられたからね」
どこか余裕を見せながら感心する敵に対して、勇美は余裕が少ないながらも気丈に軽口で返して強気を見せるのだった。
だが、その勇美のなけなしの勇気の炎は次の瞬間冷め上がる事となる。
「いや、見事ですよ。でも、『一撃』ならの話ですがね」
その言葉を聞いて、勇美は「えっ!?」という声を思わず漏らしてしまうのだった。そんな勇美に対して敵は容赦なく次の手を打って来る。
「行きますよぉ! 【連金「フルメタルゴールドラッシュ」】!!」
そうクガネは宣言すると、巨人は一旦両腕を腰元まで引っ込めたのである。
攻撃の手を緩めるのだろうか? いや、それは全くを持って逆であった事はこれから分かる事であるのだった。
案の定、ゴーレムの一連の動作は次なる大技へ繋げる為の予備動作だったのである。彼は腰元へ引っ込めた反動を利用して、次々に拳撃の連打を繰り出して来たのだ。
一発、二発、三発……。一撃でも強烈だったゴーレムの拳が怒涛の勢いで連続で勇美の造り出した鋼の盾へと打ち込まれる。
それにより、その鋼の盾はみるみる内にその表面にクレーターの如き陥没跡を刻まれていったのである。それを見てか否か、敵のテンションも上がっていき……。
「無駄無駄無駄無駄無駄ァーーー!!」
実に、黄金のラッシュを繰り出す者らしい掛け声を上げていってしまったのであった。
「クガネさん……結構ノリノリな所があるんですね……」
そうツッコミを入れる勇美であったが、今の自分にはそのような余裕など無い事を再認識するのであった。
そう、ゴーレムの怒涛のラッシュをその身で受け止めた盾は、今や見るも無惨なスクラップ寸前の状態であったからだ。
そして、敵のとどめの拳の一撃を浴びた盾は、見る影もないようなボロ雑巾のような姿となって弾き飛ばされてしまったのであった。
それにより盾の形態を維持出来なくなった金属の塊は、地面に叩き付けられるとそのまま分解されてしまったのだ。
マックスが形状維持出来なくなった事により、そのダメージが勇美にフィードバックされる。
「くぅっ……」
盾の性能に安心していた所に、それを破壊され、更にはダメージを喰らう事となり、勇美
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