第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第7話 金属対決・別章:後編
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彼女達は互いに次の相手の出方を探っているのである。
だが、やがてその空気は破られる事となる。先陣を切ったのはクガネの方であった。
「これで終わりにしますよ!」
そう言って両手を掲げる彼女のそこには目映く輝く黄金の粒子が集まっていたのだった。
「成る程……銅、銀、とくれば次は金って事だね」
勇美は心得たといった様子でそう呟くのだった。これは何とも風情があるなと。
ちなみに、銅、銀、金はメダルの種類にもされている通り、金属原子のカテゴリーにおいて同系列に分類されているのである。
その同一カテゴリーを今回の勝負に使用した辺り、そこにクガネのこだわりというものを勇美は感じとる事が出来るのであった。
そういったこだわりは勇美は嫌いではなかった。何せ、敬愛する依姫にも、そして自分自身にもそういったポリシーが存在しているからである。
勇美がそのように想いを馳せている間にも、みるみる内にクガネの周囲には金の粒子が集まりに集まっていったのだった。
そして、一頻り金を集めたクガネはこう宣言するのであった。
「【金符「ゴールデンゴーレム」】っ!!」
その宣言が起こると、辺りは一瞬の内に目映い光で覆い尽くされたのであった。それを受けて勇美は思わず目を瞑る。
そして、光が収まった所で目を開けた勇美は、そのまま目を見開いてしまったのであった。
何故ならば、そこには見事に燦然と輝き、かつ猛々しいまでの巨体を携えた黄金の巨人がそこにはいたからであった。
そのような産物を目にした勇美は、こう呟くしかなかったのだった。
「すごく……大きいです……」
「……金は金でも断じてキン○マではありませんからね」
よりにもよって自分の自慢の一品をそんな『くそみそ』な感想で返してくれるのかと、クガネは心の中で遺憾の意を示すのであった。
だが、感想はあくまで感想である。クガネは自分の切り札たるこの黄金の巨人を繰り出した時点で、優位は自分にあると踏んでいたのであった。
何故なら、この巨人は単に巨体を携えているだけではなかったからだ。
その事の証明となる一つを、これからクガネは行おうとしていた。
「それでは、まずは小手調べですよ。【金符「ゴールデンハンマー」】!」
主のその攻撃指令を受けた黄金のゴーレムは、自らのその腕を大きく振り被り、そしてそのまま勇美へと振り下ろしたのであった。
それだけで凄まじい威圧感があった。だが、それを前にしても勇美は自分でも驚く位に冷静に対処した。
「『シールドパンツァー』、もう一回その盾で敵の攻撃を受け止めて!」
その勇美の指令を受けた盾の戦車は、その身を勇ましく敵の攻撃の前へと繰り出したのであった。
そして、敵の文字通りの『黄金の右腕』は勇美が繰り出した鋼の盾によって受け止められる事となっ
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