第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第7話 金属対決・別章:後編
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家はやっていませんからね♪」
そうして皮肉の応酬のやり取りを互いにしながらも、勇美は『これは厄介だ』と思っていたのだった。
確かにこちらには金山彦命の力があり、それを使う事で相手の金属攻撃に対処する事が出来る。
だが、その力で相手の金属を流用しての反撃に出てもそれを自身の力で無効化されてしまうのだ。
つまり、防御には申し分なくても、そこから攻撃に転じるのには些か向かないという事であった。
それに……と勇美は思う所があるのだ。その疑惑は正しいかどうかはクガネの次の出方で分かるだろう。
そのような思案をしている中でクガネは次なる手を打つべく動き出すのであった。
「では、次に行かせてもらいますよ」
そう言いながらクガネは懐からスペルカードを取り出し、そして宣言する。
「【銀符「シルバーパンツァー」】」
クガネがその宣言をすると共に、彼女の傍らに砲身からボディーまで全て銀で造られた戦車が形成されていたのだった。そして、クガネはその造形物に対して命令を下す。
「『シルバーパンツァー』よ、砲撃です!」
シンプルで分かりやすい指令がその銀ずくめの近代兵器へと下されたのであった。そして、それに応える形で銀の戦車はその砲身を唸る機械音を出しながら勇美へと向けたのであった。
「『発射』」
その主の掛け声と共に戦車の砲身から砲弾が射出される。そして、それは寸分違わぬ狙いの元に勇美へと迫っていったのだった。
それを勇美は何とか自力でかわした。まずは第一撃の回避には成功したようであった。
「避けましたか、でもこれは小手調べですよ」
「でしょうね」
そう軽口を叩き合いながらも勇美は厄介な代物だと思うのであった。なので、彼女は『それ』に狙いを定める。──勿論銀の戦車に対してである。
「やはりそう来ますね。でも、そう易々とはやらせませんよ」
クガネはそう言うと頭の中で戦車へと次なる行動指令を送ったのであった。
すると、戦車はキャタピラを動かして移動を始めたのである。
「!」
「どうしました? 戦車なんですから、動いて当然でしょう?」
ただ砲撃をしたいだけなら、砲台の形にでもするでしょうと付け加えながらクガネは得意気に振る舞う。
そして、銀の戦車は移動をしながら勇美への砲撃を行っていったのであった。このように移動能力と攻撃能力を兼ねているのが戦車の強みと言えよう。
二度目の戦車の砲撃。これも勇美は避ける事が出来た。だが何せ移動しながらの攻撃である。先程よりも避けるのがギリギリとなってしまうのだった。
だが、こうして回避に専念する中で、勇美はある一つの事実を確信するのであった。
──やっぱり、このまま金山彦命の力を使い続けながら戦うのは難しい……と。
そう思い立ったが吉日、勇美の作戦の切り替えは早
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