第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第7話 金属対決・別章:後編
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だった。
そして、そこに完成したのは、顔を布のような物で覆った、機械仕掛けのスナイパーの姿であった。その者の名前を勇美は口にする。
「名付けて【機狙「メタルヒットマン」】ですね」
自身の名前を呼ばれたその存在は、手に持ったライフルを眼前に翳した。
するとどうだろうか、先程飛んで来た銅のミサイルの成分が分解され、その彼のライフルの中へと取り込まれていったのだった。
それは、敵の金属攻撃の無力化と、自身の弾丸確保を兼ねた攻防一体の無駄のない行動であったのだ。
「まさか、そんな事が……」
これにはクガネも驚愕するしかなかったのであった。
そんな彼女へ、勇美は容赦なく相棒へと攻撃指令を出す。
「それじゃあ、お願いねヒットマン♪ メタルスナイピングってね」
その指令を受けて、機械の狙撃手は手に持ったライフルを敵に向けて発射したのであった。
その弾丸は、見事にクガネを捉えたのであった。そして、命中するとパァンと弾け飛んだ。
これは弾幕ごっこだから、本物の銃のような殺傷力は出さないようにしているのである。でなければ本当の殺し合いになってしまうであろう。
「くぅ……っ!」
だが、命中は命中であった。その着弾の痛みに、クガネは仰け反り、呻き声を出してしまうのだった。
「効いてるね、じゃあもう一発行くとしますか♪」
そう言うと勇美は再び相棒の狙撃手に攻撃の指令を下した。それに呼応して彼は再度標的に狙いを定める。
そして、狙撃手は再び引き金を引き、そのライフルからは銅の弾丸が発射されたのである。
またもクガネに弾丸が命中する事となったが、今度は彼女はダメージを受けた様子は無かったのであった。
「あれ……?」
当然その事に勇美は訝ってしまう。確かにクガネへの狙いは的確だった筈である。
「何で……?」
「気にする事はありませんよ勇美さん。あなたの狙いは確かなものでしたから」
そう落ち着き払いながらクガネは言うと、パッパッと自分の服を埃を落とすような動作見せたのである。
すると、それに伴って彼女の服から細かい銅がパラパラと落ちていったのだった。
それを見て勇美は確信して「あっ」と声をあげた。対してクガネは微笑を湛えながら諭すように勇美に言う。
「いい読みをしているわ。恐らくあなたの考え通りね。つまり、私自身が金属を操る能力者だったってのが答えね」
「やっぱりね……」
勇美はそのクガネの答えに納得するのであった。そう、クガネ自身が金属を操れるが故に、当然自分に向かってくる金属も操る対象と出来るという事であった。
つまり、クガネは二度目の狙撃を受ける際に、寸での所で自分の能力で銅の弾丸を操り攻撃が届かないような形状に変化させたという事なのであった。
「やるねぇ……」
「ええ、伊達に金属の専門
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